ようこそ、展示会!ビジネス・産業振興のために

一般社団法人日本能率協会
2019/03/28

オリジナル商品開発WEEKで見た
生まれ変わった新時代の地域産業・地元特産品

例年多くの賑わいを見せ好評を得ていた国際OEM・PB開発展が、地域産業の振興を後押しする「地域産品展」やパッケージによる訴求力の向上などを目的とする「パッケージデザイン展」を内包したオリジナル商品開発WEEKとして、規模を拡大し開催された。

物流が行き届き、情報化された、いわば均一化社会の中では、大都市に人口や産業が集中してしまう。そんな現代において、地域産業や地元の特産品を活用し、それぞれの地方振興をめざす地域と、商品をただ単に梱包する資材としてではなく、生産者が込めた想いを具現化しパッケージでそれを表現する印刷会社などの出会いの場所でもあった。

会場に入ってまず目を引くのは、大鹿印刷所のブース。架空の商品を設定して、売り場に合わせて異なるパッケージ展開や什器や販促物などの総合的な提案を行っていた。担当者によると、お土産品など地域の特性を活かした製品を売る場合、商品そのものだけにとどまらない、「物語」が大事だという。

実際に、パッケージの依頼があった場合には、クライアントからヒアリングをし、開発のバックグラウンドや素材についてなど、セールスポイントや商品化に至る背景などさまざまな角度からアプローチするのだそう。そうすることによって、商品として“キャラが立ち”、売り場でのインパクトや覚えてもらいやすいキーワードが購買者に残る。

大鹿印刷所では、社内にイラストや写真などパッケージデザインに関わるスタッフが集まるデザイン部があり、50名ほど在籍しているという。電子化など印刷の需要が減ってきている中で、単なる印刷会社ではなく、企画会社としてデザインやパッケージの質感まで含めた提案ができるような会社にしていきたいということだ。

商店の人手不足埋めるOEM提案も活発化

個人経営のパン屋や製菓店など、小規模でユニークな商品を取り扱うショップが人気を博している。一方で、経営者の課題が商品ラインナップの拡充と売り上げの確保だ。

個人経営ゆえに、オーブンなど生産設備に限界があり、多種多様な商品を作る、量産するといったことにも限界があるということだ。そのようなニーズを埋めるのが、専門店に本格的なスイーツの卸販売やOEM製造の提案だ。ウィルのブースでは、原材料にもこだわった本格的な焼き菓子やジェラートなどの事例を挙げ、季節商品や専用器具や発酵過程など手間やコストがかかるアイテムを中心にラインナップの拡充アイテムとして紹介していた。

OEM、卸売販売とはいえ、材料も厳選されたものを使用し、出来栄えも非常に高い質を保っている。「慣れないアイテムを少数作るのと比べた場合、OEM商品の方が高品質というのもありえます」と担当者は自信を見せる。

実際導入しているお店では、主力製品は自社工房で生産するが、それ以外のバリエーションアイテムや工房で対応できないアイテムをOEMや卸販売で補充。店頭のラインナップも豊かになり、店全体の売り上げも好調だという。また、別の事例では、店主の高齢化により店のラインナップも減らさざるをえなかったが、OEM製造を依頼することで減らした分を補えた、という。

ライブキッチンで、地域の食材をアピール

山の恵みマッチング特別ミニブースパビリオンでは、地域の食材をその場で調理して来場者に体験してもらうライブキッチンが注目を浴びていた。

山梨県早川町は、ジビエ処理加工施設で加工した鹿肉をアピール。個別に真空パックされており取り扱いが容易で、適切な処理によってジビエ特有の臭いやクセも少ないと説明しながら焼きあがる鹿肉は、あっという間になくなってしまうほどだ。

伊吹そば生産組合では、在来種であるそばを使用した伊吹そばの試食でアピールする。今ではうどんが主流な関西地方だが、実は伊吹はそば栽培の発祥の地だという。改良された現在、栽培されている品種は粒が大きく蕎麦粉の取れ高は良いのだそう。しかし、在来種は小粒ながら香りが高く、栄養価も多いという。単純な競争ではなく、地域に根ざしたものを見直して伸ばすことで、地域振興の可能性があるのではないかと自信をのぞかせる。

ニセコ市は、トドマツの樹液を使用したエッセンシャルオイルや、伐採される白樺の樹皮を使用したアクセサリーなどを紹介。インバウンド需要で賑わう同市では、宿泊施設内の環境向上やお土産などの拡充のために商品の開発に余念がない。「天然で高品質な商品は、外国の高所得者層にも大変好評です」と担当者も笑顔が絶えない様子だった。

ジャパニーズウィスキーや焼酎などジャパンクオリティを推すアイテム

新潟市産業振興財団では、新潟のさまざまな生産者を集め、高品質な地元の製品をアピールする。新潟麦酒では、100%ミズナラの新品樽を使用して熟成させたウィスキーを紹介。

ミズナラをうたうウィスキーなどの洋酒は、使用済みの樽に一定期間移し替えることで風味付けをすることが多いということだが、こちらでは新品の樽に入れて出荷まで熟成させることで、香りや味わいを豊かにしているという。現在は輸入原酒と自家蒸留での生産というが、徐々に自家蒸留も増やして行きたい構え。ビール醸造での実績から、より高アルコール分の製造許可も得ることができ、今後はジンやラムなども手掛けたいとしている。

地域の人材だけでは対応できない分野に、別の地域からコンサルを招いてブランド化や地域振興を図る場面もみられた。そんな中で存在感を示していたのが東京農業大学だ。

かつては農業経営者の子女が経営を受け継ぐために入学する例も多かったというが、今ではそういったバックグラウンドのない学生も多いという。彼らは卒業後、食品会社や製薬会社などに就職するほか、地方自治体に就職して地域振興に携わることもある。

食品や化粧品などは、原料を加工したり商品化するに際して、さまざまな基準達成や認証を得る必要がある。一方で、今まで原料を生産していた人にはそのノウハウや知識が不足しているのも現状だ。そのような時に、大学で学んだり経験してきた知見が活かされるというのだ。

今後彼らには、地域の生産者や加工業者、販売者たちをつなぐ橋渡し役としての役割が期待されていると言える。

時代の流れとともに食生活が変化するなどで消費量が落ちてしまった特産品を加工したり、余剰作物をジャムなどに加工したりする、また震災などを機に地元の異業種がコラボして新しい商品を生み出すなど、地域課題に取り組む切実さも伝わってきた展示会となっていた。

 

オリジナル商品開発WEEK

■会期 / 2019年2月19日~22日

■会場 / 東京ビッグサイト

■来場者数 /21,262名名 (4日間合計)

■出展者数 /98社(133ブース)

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