ようこそ、展示会!ビジネス・産業振興のために

一般社団法人日本能率協会
2015/03/06

25,000歩の渾身ルポ。『FOODEX JAPAN 2015』は過去最大規模での盛りあがり。

幕張メッセは開場前から熱気に包まれていた。すでに入場ゲートには長蛇の列ができており、その全員が飲食業や小売のバイヤー、販売といった食の専門家というのだから驚きだ。プロしか入れない食の祭典に行ける!気合い十分で臨んだ取材班は、会場に入った瞬間言葉を失った。体育館10棟は入りそうな広い会場を埋めるブース、ブース、ブース…。えっ、ここまわるの?ホントに?
それもそのはず。2015年の出展者数は約3000と歴代最多。とても1日ですべて見ることはできなかったが、時間と体力、ともに限界ギリギリまで体験してきた。そんな当日の様子をお届けしよう。

“ご当地”の魅力を存分に活かした、新商品のオンパレード!

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くどいようだが、会場内はとにかく広い。この中でいかにアピールできるかが出展者にとって鍵となる。知恵をふり絞ったブースの数々からは、FOODEX JAPANへの並々ならぬ意気込みが伝わってきた。

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たとえば岐阜県ブース。『茹でたて麺』で新作高山ラーメンを紹介するパフォーマンスに足を止める来場者が続出。ひとは出来立てに弱いのだ。
つづいて埼玉県ブースでは『プチとろ』という商品名が気になる。半熟うずら卵の加工食品だが、商品ネーミングの重要さに気づかされる一品。
石巻ブースでは海の幸、山の幸を活かした特産品に出会った。その一つひとつに作り手の情熱が垣間見え、石巻の街が一歩ずつ、けれど着実に復興へと進んでいる姿が想像できる。
もちろん加工食品だけでなく生鮮食品も多彩だ。瀬戸内海の塩田跡で育った広島産生牡蠣は並んだ姿だけで迫力バツグン。

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珍しい逸品に出会えるのも展示会ならではの楽しみである。島根県ブースの食用薔薇シロップ・サイダー、千葉県ブースの青トマトピクルス、トマト風味の沖縄もずくなどなど。地方の面白さや可能性を再発見できる。
地域ごとの豊かな個性・特色を持つ、日本はやはり美食大国だ。今回、絶え間ない努力でそれを支える、企業や団体の底力を見ることができた。

プロとプロの出会いが生む、
“ビジネス”としての旨み

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スイーツゾーンでひと際長い行列を発見!ふわふわ新食感アイスを紹介すをもうひとつ紹介しよう。「昨年は大手ドーナッツチェーンの夏メニューとして全店に導入されました」と担当者。 美味しくて目新しいフードは多くの企業が求めている。

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反響の大きかった出展者をもうひとつ紹介しよう。アメリカパビリオンで見つけたターキー専門店は焼き上がるたび試食品があっという間になくなる。臭みがなく柔らか。肉質に満足したバイヤー達の名刺が山を作っていた。「私たち田舎の牧場にとって、流通・販売は大きな課題です」そう語る社長に手応えはあったかぶつけてみた。 「いいビジネスパートナーが見つかりそう ですよ」とニヤリ。野暮な質問だったかもしれない。

こういった商談を至る場所で行えるのがFOODEX JAPAN最大の魅力である。継続出展の多さやイベント規模が年々拡大しているデータが、その成果を裏付けしている。

気分は“地球一周”!
79ヶ国・地域の食文化が大集結

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ここはパスポートなしで世界を食べ歩ける海外エリア。ちなみに取材班は誰ひとり英語が得意でない。おそるおそる足を踏み入れたが、フレンドリーな笑顔にひと安心。というか皆さん、日本語が上手!

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より注目を集めようと、国単位でプロジェクトが組まれているのもFOODEX JAPANの見所だ。韓国パビリオンではライブキッチンでキムチ作りを実演していた。試食も日本の浅漬けキムチと韓国産熟成キムチの食べ比べなど、つい手を伸ばしたくなるよう工夫がされている。
もちろんヨーロッパ勢も負けていない。味はもちろん、とにかくパッケージがおしゃれでセンスが良い。取材班の紅一点が「置くだけで“出来るキッチン”になりそう!」と飛びつく。

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さて、ベルギーパビリオンを歩いていると、JMAの海外エリア担当者に遭遇した。「どうも、お疲れさまで…」と挨拶も終わらぬうち出展者に囲まれる担当者。スマートな英語で我々にはちっとも内容が分からなかったが、なにやら会話が弾んでいる。イベント当日まで密なコミュニケーションがあったことが容易に想像できた。こうした対応力は国内・海外、どちらの担当者も変わらない。

蔵ごとに個性を発信。
世界の“美酒”に酔いしれる!

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フードだけでなく、アルコール飲料の多さも本展の特長だ。たとえばスペインパビリオンやフランスパビリオンはまさにワイン天国。ワインだけでストリートが埋め尽くされ、端から端まで歩けばすっかりワイン通になった気分を味わえる。国内エリアでは福島県ブースの県知事賞受賞吟醸酒をはじめ、数多くの銘酒に出会うことができた。こうしたワインや日本酒といった醸造酒は酒造ごとに個性が出やすい。たとえ小さな蔵であっても大きなマーケットへ打って出られる、そんな期待値が会場をより白熱させていく。
もちろん会場内にはワインや日本酒だけでなく、ジンやウォッカをはじめとした蒸留酒やマッコリなど多種多様な飲料が揃う。単品での美味しさだけに留まらず、フードと掛け合わせた提案も見所のひとつだ。

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また今年度はアルコール関連の企画も豊富。会場内に2ヵ所設けられた『ワイン!ワンパレット!』は、日本未入荷ワインをいち早く試飲できる目玉のコーナーだ。現役ソムリエが好みのテイストに合わせた紹介をしてくれ、さながらスタンディングのワインバーにいるよう。「未知の美味しさ」をキーワードに第2次ワインブームを起こすべく、輸入バイヤーたちの目が光る。

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イベントステージでは、日本・ヨーロッパ・北中南米・アジアと国ごとにご当地ビールの試飲プレゼン企画『FOODEXビアフェスタ』が盛況だった。ベルギービールとチョコレートといった、新しいマリアージュも発見できる。
若者のアルコール離れが叫ばれている現代。特に女性向け市場の開拓が重要視されている。価格、パッケージ、提案方法など、日本のアルコール業界を面白くするためのヒントが会場内には溢れていた。

“トレンド作り”の鍵になる、
旬&最新フード情報も満載!

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食文化の情報発信も各所で行われ、どのコーナーにも積極的な来場者の姿が見られた。2020年東京オリンピックを控える今、外客対応は食ビジネスのキーワード。中でも特に話題になったのはハラール*市場だ。その実情や導入方法などを紹介するセミナーは多くの聴講者が詰めかけ、真剣にメモを取る姿からも関心の高さが伺える。 ハラール食品は出展企業も多かった。そのひとつに出展背景を尋ねてみる。「原材料や製造が徹底管理されているので、食の安全意識が高い方やアレルギーのある方に対しても有効です。味を追求することで、その可能性はムスリム以外にも広がります」。宗教や体質に関わらず、すべての人に美味しい笑顔を届けたい思いは、日本のおもてなし精神を見事に表している。

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一方で、世界的な和食ブームに向けてのアプローチも行われた。その代表が今年度より登場した『KANPAI JAPAN』コーナーだ。ワイン・ビール・日本酒と種別問わず、国内酒造メーカーの新作・自信作が集う。中には、アルコール度数を押さえた苺酒やかわいらしいボトルセットなど、女性を意識した商品も多い。海外からのバイヤーも多く訪れ、新市場開拓の場として一役買っていた。輸入・輸出、双方の観点を取り入れることで、FOODEX JAPANは食の最前線に挑み続けている。

*ハラール:イスラム法において合法なもの。食品においては単に豚肉を禁止するだけでなく、屠殺方法や工場管理の徹底が必要となる。

さて、会場取材がひと通り終わる頃には取材班の脚はガクガク。運動嫌いな筆者は歩数計の数字を見て震えた。たった1日で2万5000歩超え?!まだまだ見たりない気持ちを惜しみつつ、今回はここまで。ちなみに翌日、筋肉痛で起き上がれませんでした、とさ。

『FOODEX JAPAN 2015』
■会期/2015年3月3日〜6日
■会場/幕張メッセ
■来場者数/7万7361人(4日間計)
■出店者数/国内 1166、海外 1811
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