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一般社団法人日本能率協会
2017/08/10

農業の新スタイルを発信!時代の先端を見据えた技術・サービスが満載!『アグリ×フードプロダクツ展 2017 in 九州』

ITでの管理が進み、新しい形の農業が見えてきた!

7月5日、6日にマリンメッセ福岡にて「アグリ×フードプロダクツ展 2017 in 九州」が開催された。九州アグロ・イノベーションからタイトルを変え、今回で第3回目の開催となる展示会だ。

「農業資材と農業設備、6次産業化・農商工連携を提案する専門展示会」と称しており、会場では農業資材をはじめとしたIT化のツールが多く出展された。

多く見かけたのは、温室とクラウドをつなぎ、室内環境を管理するシステムだ。ある大手メーカーは管理に留まらず、リモートで制御できるシステムを提案している。温度や湿度、CO2濃度など、作物の育成に必要なデータを計測し、それがパソコンや携帯端末から管理できる。そこで室温が高ければ自動で窓が開いて換気をし、必要があれば放水する。

パソコン画面 パソコン画面

農業は重労働だというイメージが根強いが、ここまでできれば育成中に人の手が必要なことはかなり軽減されるはずだ。適正な環境さえわかっていれば、人が現地にいつもいなければならないという状況ではなくなってきた。

しかし一方で農家に必要なのは、長年培ってきた技術力だ。さらにこれからの農家に必要なのは、技術力と経営力の両方だという。農業技術だけでなく、これらのITシステムを使用することでその余った時間を経営の勉強などに費やすこともできる。ITシステムを出展していた企業では、現在、大学と協力して、作物の育成について解析し、より生産効率のよい育成方法を研究中だという。実際に適正な制御を行うことで、前年比30%強の収穫アップにつながったという。

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農業技術だけではなく、インフラの重要性も説く、アメリカに次ぐ売上高を誇るオランダも出展

農業大国で知られるヨーロッパからの出展もあった。オランダ大使館の農務参事官に話を聞いた。

「我が国が農業大国として発展を始めたのは1960年代です。EUができ、作物の関税がなくなったこと、そして家族経営だった農業のうち、経営の成り立たないところは淘汰されて転業していきました。そうしてヨーロッパの大都市に近い地の利を活かして、付加価値の高い作物の輸出を始めました。今では九州と同じくらいの国土で、年間900億ユーロの売上があります。これはアメリカに次いで第2位の売上高です」

オランダでは生産物だけではなく、農業技術そのものの輸出にも力を入れているという。そのために産学連携の研究も進められている。また、日本とも双方技術提供をしており、農業に対する日本のポテンシャルはまだまだ高いと言えそうだ。立地を活かして新鮮な野菜を各地に届けたいということだが、それでは遠隔地の農場に勝機はないのだろうか。

「私たちは600km離れたドイツに作物を輸出しています。実際に作物を運ぶインフラが整っていて、輸送ロスをなくし鮮度が保てれば、都市部近郊かどうかは問題ではないのです」

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日本でそのインフラを担っているのは農協だ。オランダでは、農協に当たる組合がいくつかあり、競合しているという。そのため輸送費が抑えられ、野菜の値段はより安価に設定できるのだとか。

戦略的な経営、新事業への取り組みに熱心な農家が展示会に情報と人脈を求めてやってきている。

日本能率協会の当展示会担当者に今年の傾向を聞いた。

「今年から、農業の6次産業化に対応して、加工するところまでを視野に入れ、フードというワードを入れました。新規参入された農家さんは、加工まで手がけて販路の開拓を希望する方も多いです。そのため、加工機器のメーカーさんの出展が目立っていますね」

日本能率協会の当展示会担当者

どうしても展示会というと、首都圏で開催されることが多い。

「東京よりも個人の農家さんの来場が多いですね。出展者の方には、展示会の対象によって内容を変えていただくと効果が高いと思います。また九州の来場者の方々は、本当に熱心だなと感じます。開催されるセミナーはどれも満員です。そのセミナーは業界注目のトピックをピックアップして決めています。今年は輸出と労働力確保ですね。ぜひこうした機会を利用し、情報を吸収していっていただきたいですね」

その他、会場には経営コンサルティングによる相談コーナーがある。通常の企業のように戦略的に農業経営を行っていく農家も増えていくことだろう。そのためには経営の視点が必要だ。少子化と人口減少を受け、海外への輸出といった今まで視野に入れたことがなかった分野もプロに相談することで検討できる。こうした新規事業への取り組みも、展示会で情報が手に入る。

展示 展示

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展示会で目を引いたのは、農業へのIT活用だ。例え初期導入のコストがかかっても、工数が減ることで従事する時間が減れば、大きなコストダウンだ。すでに設備と管理、作業が自動化できる商品があり、作物の育成に関する情報の蓄積も始めているという。となると、都市部の若者が農業に転職し、農場を拠点としながらもパソコン1つ持って全国を放浪する「ノマド農家」も生まれるかもしれない。

農業の6次化を意識し、パッケージを扱うブースも多かった。自動で野菜を袋詰めする機器や、かわいらしいボックスなども目についた。機器を使って大量に自分で出荷し、ブランド作物には凝ったパッケージングを施して高値で売る。商品に個性が出れば、それはメーカーが製造するアイテムにひけをとらない。農業従事者、参入希望者は来場必須の展示会ではないだろうか。

アグリ×フードプロダクツ展 2017 in 九州

■会期 / 2017年7月5日~6日

■会場 / マリンメッセ福岡

■来場者数 / 2805人(2日間合計)

■出展者数 /65社(74ブース)

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