ようこそ、展示会!ビジネス・産業振興のために

一般社団法人日本能率協会
2015/05/22

空の産業革命はここから。日本唯一の『国際ドローン展』で見えてきたもの。

「ドローン」 —— 近頃、なにかと話題になっているそれは、本来「はたらき蜂」を意味する。幾何学的なボディに、ブーンと音をたてるプロペラ。なるほど、なかなか粋なネーミングじゃないか。そしてこの「はたらき蜂」は女王、すなわち操縦者の命令にとても忠実だ。そのため最近ではニュースに上がることもあるが、本来は社会のために作られた技術の集合体である。普及すればさまざまなサービスの構造が大きく変わるだろう。
そんな期待を胸に、『国際ドローン展』の当日は多くの来場者が会場に詰めかけた。テレビ局や新聞社から派遣された取材陣の数からもその注目度が分かる。一体どんな未来が待っているのか、最先端のドローンから探ってみよう。

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まるでSF!近未来型ボディが来場者を魅了!

「うわっ、かっこいい!」会場内ではあちこちから歓声が上がった。改めて眺めてみると、ドローンのフォルムがいかに洗練されているか分かる。もちろん、そのデザインは開発企業や使用目的に合わせてさまざまだ。

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たとえば大手警備会社では、プロペラ4発のドローンを搭載した監視飛行ロボットを紹介していた。まるくて愛らしい見た目に反して、中身は超高性能。不審者が現れたときは一定距離を保ちながら追跡し、リアルタイムで映像を送信する。3DマッピングやGPS、レーザーセンサを駆使して、設定エリア内しか飛行しないため近隣トラブルとも無縁だ。今後、新しい監視システムとして本格的に売り出すという。

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これまでの固定概念をふき飛ばすドローンもあった。まるでステルス型飛行機のようなこちらは試作機だが、完成すれば最大1時間の長距離飛行が可能となる。火山など人が行けない場所の監視調査機として活躍する予定だ。
オレンジ色のボディに黒いラインから、思わず某弐号機を想像したのは私だけではない、はずだ。

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人が踏み入れられない場所向けとして究極のものも発見した。なんと、原発調査用というのだ。一見ドローンには見えない立方体のボディは、他を圧倒する存在感。GPSが使用できない場所でも自動飛行し、バッテリーの自動交換ユニットまで搭載されている。

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その他にも、農薬散布や過疎地・災害地への物資輸送、測量といった目的ごとに、さまざまなドローンが会場内を彩っていた。そのすべてに最先端の技術が光り、科学の進歩を目の当たりにする。これらが普及すれば、社会の形は大きく変わるだろう。私たちはいま、時代の変換期に立っていると痛感した。

動きが、課題が、可能性が。最新のドローンがまるごと分かる!

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ドローン展と銘打つのなら、飛んでいる姿をひと目見たい!多くの人たちのそんな期待に応えるように、会場内には飛行デモンストレーションエリアが用意されている。

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防護ネットを囲む人垣に、負けじと取材班も駆けよると、トンネル点検用の中型ドローンが登場した。スタッフのコントロールに合わせ、上下左右と飛行をはじめるドローン。今回はリモート操作だが、完全自律飛行も可能とのこと。余談だが、あまりに飛行が安定しすぎて「どこから撮っても動きが出ない!」とカメラマンが嘆いていた。苦心の一枚、いかがだろうか。(私には止まっているようにしか見えないが)

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出展ブースでもネットを張り、飛行デモを行う企業があった。家庭用機として開発されたこちらのドローンは、進化版ラジコンといったところか。コントローラから一定距離はなれると自動で戻ってくる賢い子だが、加えて操縦者にも安全に配慮した使用を呼びかけている。こうしたメーカの取り組みは、今後ますます必要となるだろう。

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そのため、会場内ではセミナーも開催されていた。国土交通省をはじめとした行政や有識者から最新情報や今後の動向が聞けるとあり、聴衆は真剣そのものだ。
こうした催しからも分かるが、『国際ドローン展』は時勢を追った急ごしらえのイベントではない。

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「世にこれほどまで知られるずっと前からドローンに注目していました」とJMAの担当者は語る。
過去実績をベースにバージョンアップを図ったところ、時代のほうがようやく追いついてきたのである。結果、ドローンの開発者・使用者・管理者、すべてをつなぐ日本初で唯一無二の展示会が実現したということだ。

ドローントラブルは使用者だけの問題?開発者に聞いてみた!

ムッとされるのを覚悟で「おたくのドローン、安全ですか?」と尋ねて歩いたところ、なかなか面白い話を聞くことができた。

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「ドローントラブルのほとんどは、操縦者の技術不足が原因です」。そう教えてくれたのは、大手のドローン開発企業。そのためこちらでは独自のシミュレーションソフトを用意している。シミュレーションと侮るなかれ。その内容は実機用ソフトウェアとほとんど変わらない。同じ画面で練習を行うことで、実機を扱う緊張感を和らげることができる。

また操縦者はメーカの指導のもと、2週間程度の操縦訓練も義務づけられている。ずいぶん長い時間に感じるが「カリキュラム内の試験に合格するまでは実機操作はできません。これにはペーパーテストも含まれます」とバッサリ。つまり、運転免許のようなものなのだ。ドローン免許については導入が検討されているが、行政に先駆けてすでにメーカ側で運用されている。こうしたサポート体制の早さは国内企業ならではの強みだろう。

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開発側の声から、ドローンの安全性を使用者のモラルや行政頼みにしていないことがよく分かった。むしろ率先して取り組むことで、技術を社会に還元しようとしている。こうした熱意は、来場者の心に深く響いていった。
いや、しかし、不躾な質問にも笑って対応してもらい、各担当者の方々、本当にありがとうございました。


最後に、ビジネスの話をしよう。TECHNO-FRONTIERと同時開催されている本展は、さまざまな分野の研究・開発者が集う。そのため、会場内では「こんなドローンの使い方はできないか?」と、アイデアの交換も頻繁に行われていた。こうした会話が起点となり、実際のビジネスにつながった事例も多い。

昨年のTECHNO-FRONTIERに出展した企業はイベント後、半年間は問い合わせの電話が鳴り止まなかったそうだ。中には、大手カメラメーカからプロモーションビデオの撮影機を受注した企業もある。本展をきっかけに作られるドローンが、世の中をどのように便利で面白くするのか。その登場が実に楽しみである。

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うん、このイノベーションの流れを安易に止めてはいけない。取材を終えての正直な感想だ。考えてみてほしい。「高い技術力」と「安全な社会」、そのどちらも日本はずっと世界に誇ってきた。ドローン産業をリードすることで、日本の真価を発揮するときが、いま来ている。

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