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一般社団法人日本能率協会
2019/02/20

未病改善は緊急の課題
硬軟様々なソリューションが一堂に介した
『未病改善プロジェクト』

健康寿命の延長や予防医療の発展を通じて、医療費の適正化を目指すための展示会「未病改善プロジェクト」が2018年11月20日(火)~22日(木)、東京ビッグサイトにて開催された。3つの出展ゾーンが設けられ、睡眠や健康管理、運動支援などの分野から様々な未病改善の提案が来場者になされた。

さまざまな快適睡眠グッズが集まる

「ぐっすりEXPO」と銘打った良質睡眠推進展では、寝具やリラクゼーションのためのグッズなどが数多く展示されていた。中でも興味を引いたのがリラクゼーション用のドリンクやサプリメントだ。

睡眠導入剤などの薬ではなく、あくまでもリラックスさせる(副交感神経の働きを促進させるなど)ための成分を含んだ補助食品という位置付け。「頑張りたいときに飲むエナジードリンクの逆バージョンとお考えください」と、用途やニーズのアピールにも工夫が見られる。

アメイズプラスは、同社が運営する通販サイト「Nelture(ネルチャー)」で取り扱う商品の数々を展示。快適な睡眠には適度の刺激が必要だったという研究結果を得て開発された「睡眠用たわし枕」は、たわしの刺激によって快眠をもたらす。

たわしの毛が刺激とともに点で頭を支えることにより、体圧分散が図られる。さらに通気性によって枕本体に熱かこもらず「頭寒足熱」を実現するという。その他、寝姿勢を保って寝苦しさや寝疲れを防ぐ抱き枕「MAMO」など、快眠をサポートするグッズが多く紹介されていた。

モバイルバッテリーのCheeroでも有名なティ・アール・エイが展示するのは、音・光・香で快眠を誘うガジェット『Sleepion(スリーピオン)』シリーズだ。人間の持つ5感のうち、視覚・聴覚・嗅覚の3感を、それぞれ、光(ライト)・音(サウンド)・香(アロマ)で刺激することで、副交感神経優位に導き、スムーズな入眠、質の高い睡眠を促すというもの。

新製品の「Sleepion 3(スリーピオン 3)」は、ろうそくをイメージした円錐形の形状で、原音本来の波形を忠実に再現するタイムドメイン方式のスピーカーを採用したモデル。モバイルバッテリーでも動作する。睡眠時のリラックス効果のほか、快適な目覚め、仕事などでの集中力など用途に応じた14種類のアロマリングを用意。例えばアロマリングのひとつ「レモングラス」は、集中力を高める効果のほか、認知症の予防や改善にも効果があるとされ、ペンダント型のホルダーにはめ込んで常に身に付ける用途の提案もあった。

健康寿命を延ばすための様々なテクノロジーやサービスが集結

医療 × スポーツヘルスケアを融合した「メディスポ」では、運動によって健康寿命を延ばすための様々なソリューションの展示がみられた。

オンキヨースポーツが展示する「food coach」は、至学館大学が開発し、オンキヨーと協力してビジネス展開する産学協同プロジェクトだ。使用対象者は、スポーツのトレーナーやコーチ、専属管理栄養士など選手を管理するチームや会員を抱えるジム経営者など。

食事や睡眠、体調などを一括管理し、AIによって栄養素の過不足やトレーニングのメニューの提案などを行い、選手のレベルに合わせたアドバイスをおこなうというアプリとなっている。

例えば、試合や大会のスケジュールに向けて、食事やトレーニングメニューを調整して、本番日にピークを持って行くなどのケースでも、選手それぞれにカスタマイズしたコーチングが行えるということだ。

Likageが発売する「SKINNERS」は、地下足袋のような靴下シューズだ。

柔軟性が高く抗菌力のある素材で編まれたソックスに、耐摩耗性ポリマーを合わせ、屋外での使用も可能。裸足感覚で使えるので、足の筋力を鍛える効果のほか、脳機能の活性、身体バランスを養う効果も見込まれるという。

ニッタでは、歩き方から健康情報を取得するデバイスなど様々な計測機器が紹介されていた。

歩き方の情報としては、歩行時の圧力分布や、運足のバランスなどから、脳卒中などの傾向がわかる例があり、そういった突発的な病気の発作や発症を未然に防ぐきっかけになるのではないかという考えのもと、開発を行っているという。個々の計測結果では個人の歩行状態しか即的できないが、計測結果をビッグデータ化し、AI解析などを行うことで発病しやすい人の傾向がわかるようになるかもしれない。あくまでも計測機器メーカーなので、大学などの研究機関に利用してもらい、研究の役立ててほしいとのこと。

テクノロジーによる健康維持と健康リスク回避が急務

「健康診断・健康管理EXPO」では、健康診断の情報を解析してより具体的な健康管理情報として活用したり、日々の健康情報を記録し、健康的な生活を送るためのアドバイスを行うアプリなどが紹介された。

ソニーネットワークコミュニケーションズのブースでは、パーソナルトレーニングサービス「ソネトレ」や、食事の写真から摂取カロリーや栄養素などを自動で判別して記録し、運動や今後の食事のアドバイスをするソリューションなどを展示。基本的には、BtoB向けのコアソリューションとしての提供となるが、一部機能についてはBtoC展開も検討しているという。

パーソナルトレーニングサービスは、高齢者の介護予防のためにも活用できるとし、リストバンド型のセンサーと、タブレット(スマートTV)を組み合わせて自宅でもトレーニングが行えるとしている。

週1回、ジムでハードなトレーニングをするよりも、週3回自宅で楽しんで行うメニューをこなした方が、効果があるという。

ヤフーの行うゲノム多型解析サービス「HealthData Lab」は、簡単な遺伝子検査キットで診断することにより、自分の遺伝子的ルーツや体質、健康リスクなどのおよそ300項目の傾向がわかるというものだ。

専用のキットに唾液を採取して、送るだけで解析結果がわかるという手軽さが特徴。統計解析されたデータは、研究機関によって新薬の開発などにも寄与するという。受検者には、糖尿病や脳梗塞、喘息といった健康リスクが一般と比較して何倍あるか、などの結果を受け取ることができる。研究が進むことで新たに判明したリスクやアドバイスも更新されるほか、提供したデータがどのように役立ったかも知らせてくれるという。

しかし、詳細な解析結果は「医療行為」とみなされるため、一部情報の開示や詳細な解析結果は、医師の診療を伴う必要がある。商業サービスによって我々一般利用者が得られる情報は、あくまでも参考情報に限られるということだ。

重大なリスクが疑われる場合には、提携する医療機関においてより詳細な「診断」を行ってもらうことができるほか、ゲノム解析が行える医療機関からの照会に応じるなど医療の補助行為と見なされれば、詳細な結果を得ることができる。

そのほか会場では、韓国SELVAS AI社が展示するソリューション「Selvy Checkup」が注目を集めていた。

BMIや血圧、コレステロール値、問診情報など20項目の健康診断結果を入力するだけで、AIが6大がん、脳心血管疾患、糖尿病など10疾病の4年以内の発症確率を予想するものだ。統計分析法と比較しても、10%以上高い予測精度が特徴という。

現時点での活用方法としては、導入した会社の社員の健康管理に役立てるほか、特に保険分野においては、保険金の支払いを算出するために活用されるという。つまり、加入者へ支払う保険金の額を予想し突発的な支払い増加などで経営的な課題を回避するために活用されることが多いのだという。それ以外にも、健保組合などでは健康管理のアドバイスのための参考情報としても使われるという。加入者が健康を維持することが、支払額を下げることにもつながるので、Win-Winの活用と言えるだろう。

こちらでも現時点では、「診断」までしてしまうと医療行為に該当するために保険や健保などのBtoBサービスに限定されるが、近い将来にはBtoC向けのアプリとしても利用出来る道筋もできたという。

テクノロジーの進化によって未病改善や予防医療によって、健康寿命を延ばす可能性が大きく高まってきている。しかし、技術革新に法律が追いついていない面もあり、ややもどかしさを感じる場面も出てきた。

少子高齢化社会が進み、要介護者も年々増えてゆく中で、介護従事者の負荷軽減や、コスト削減は喫緊の課題でもある。楽しく効果をアピールするブースからも、未病改善に対する切実な想いがにじみ出ていた展示会でもあった。

未病改善プロジェクト
■会期 / 2018年11月20日~22日
■会場 / 東京ビッグサイト

■来場者数 /33,512名 (3日間合計/同時開催展示会を含む)

 

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