ようこそ、展示会!ビジネス・産業振興のために

一般社団法人日本能率協会
2018/12/21

地域振興のための木材活用の現在と
まだ見ぬ新しい木材に出会える
「ふるさと建材・家具見本市」

2018年11月20日(火)~22日(木)、東京ビッグサイトにて開催された「ふるさと建材・家具見本市」は、今回で13回目の開催。建材や設備関連の展示会が集まるJapan Home & Building Showの構成展示の一つとして、地域振興のための木材の活用や、建築用に新しい木材の利活用の提案や技術が一堂に会した。

この伝統ある展示会を手がけるのが、日本能率協会 武石真氏だ。入社間もなくでいきなり大きな展示会を任されたことにプレッシャーは感じなかったのだろうか?

「展示会を担当するのは、前職も含めて初めてだったのですが、社内の雰囲気がとってもフランクで、相談もしやすかったです。ときには上司から、ここはこのようにすればいい、と積極的に教えてもらうこともありました。社内はフリーアドレスというのもあり、打ち合わせなども思い立ったらすぐに行うなどフットワークが軽い環境です。雑談から生まれた企画もあるなど、柔軟性が高い会社だと思います」

武石氏は、自身の経験不足を補うために、他の展示会のサポートで現場に立つなど、できることは何でもやったという。

「今回の展示会に際しては、出展社同士の相乗効果が得られるようブースは位置を工夫したり、林業や家具、建材の団体、職人団体など、出展社にも顧客にもなりうる団体や市町村に招待状を送るなど、来場動員も行いました。初めてということでまだまだ反省点も多くありましたが来期は、今回の経験を生かして今年を上回る規模を実現したいと思います」

そんな武石氏に今回の展示会の見どころをお伺いした。

「住宅建材や家具の見本市ということで、スマートホームなど目新しいキーワードの展示や、大手のブースに人気が集中すると思われましたが、今、木材が建築材料として見直されていることや、伝統工芸品など日本の高い技術力にも注目が集まりました。特に、ブース配置を地域や自治体ごとに取りまとめたことで、規模は小さいが、技術やアイディアのあるキラリと光る事業者の出展なども見どころの一つです」

各事業者の特徴を組み合わせて展示の相乗効果を発揮

そんな言葉を裏付けるように、様々な自治体や木材連合会などが個別の事業者や木工所をとりまとめてブースを構える様子も見られた。

中でも大きなエリアで展開していたのが、福岡県・大川インテリア振興センター。産官共同で立ち上げた第三セクターとして創立された一般財団法人だ。

工夫されているのは、それぞれの事業者の特徴を組み合わせて展示の相乗効果を発揮しているところだ。イマヤマと入江木工の共同ブースでは、化粧板を得意とするイマヤマが磁石がつく化粧板「ピタバン」を展示し、ピタバンによって表面加工された家具やマグネットシートを貼り付けた家具がピタバンの壁に貼り付けられ、家具の固定や地震対策になるというソリューションが紹介されていた。

ピタバンは、鉄箔を壁材に入れており使用する磁石の強さによって、棚を増設したり、メモ留めなど用途の幅をもたせられる。家具に使用する際も、面で吸着するため地震などの揺れには強いが、模様替えなどで家具を動かす際には容易に動かせるなどその特性に応じた使い方ができるのが利点だという。

ブロックを隔てて出展していたモーニンのブースでは、民泊、ドミトリー施設向けの二段ベッドをベースにしながらも、家庭で使用できるサイズ、材質に変更を加えたモデルや、スタンダードな2段ベッドなどを紹介。こちらでも一部の表面材にピタバンを使用したオプションを紹介するなど、振興センターが取りまとめて共同出展するという強みが活かされていた。

各地域の得意分野とのコラボレーション展示も

ふくい県産材販路拡大協議会では、福井らしさを前面に押し出したPRに余念がない。福井といえば恐竜、「フクイラプトル」が有名ということで、恐竜をモチーフにした木工パズルなども多く見られた。

会場でひときわ目を引いたのが、サロンカーコンセプトだ。

普段は内装を手掛けるこちらの会社がデモ展示したのは、内装を木材のベンチとテーブルで整えたサロンカー。車両にもこだわり、程度の良い中古車をフルレストア。外装も塗りなおして新品同様の仕上がりになっている。車両で250万円ほど、内装で200万円ほどのコストがかかるというが、本来であれば出荷されない端材やハネ材でコストを抑え、サロンカーではむしろ味になるような使い方の提案もされている。

雪ミク(北海道を応援する初音ミクのキャラクター)がシンボルの北海道パビリオンは、北海道の木材だけでなく、断熱構造の試験や高強度集成材など、木材そのものだけでなく、利活用や建築構造などのアピールにも力が入っていた。

断熱試験ソリューションは、北海道のソリューションでありながら、実際に導入(販売)がされているのは長野県が一番多いのだという。北海道では、セントラルヒーティングを採用する住宅も多く、最初から断熱もしっかりした施工になる場合が多いが、長野県など寒さが厳しい地域でのリフォームや新築の際に、費用対効果を最大限にする施工や断熱材の分量などを適切に把握するニーズが多いのではないかとのこと。地場で鍛えられたソリューションが他県に販売できることが地域振興につながるので、このような展示会は非常に有用だという。

それぞれの地域振興も面白いが、さらに興味深いのが様々な木材の受給をマッチングさせるサービス「キバドットコム」だ。

林業が衰退、後継者不足に悩む理由の一つとして、適切な収入が得られないことが挙げられる。一方で店舗やオフィスなどで木材のニーズは多くある。高品質な木材を求める人たちがいる一方で、国内の材木関連事業者はその在庫の売り先が見つからず、せっかくの木材を死蔵してしまっている。

そんなミスマッチを解消したいという思いから作られたのがキバドットコムなのだという。仕組みはシンプルで、木材取り扱い事業者が、自分の持つ木材を登録し、欲しい人がそのリストの中から目的にあった木材を購入するというもの。利用料も月々の利用料のみで購入時の仲介が必要な際のみ仲介手数料を得るという。

サービス開始したばかりだというが、売り先がなくて死蔵されていた立派な木材が、新規オープンの飲食店のテーブル用天板が欲しいオーナーとマッチングして売れたというエピソードもさっそくあったということで、マッチングサービスの感触に手応えを感じているという。

建材や家具というと一見地味に見えるテーマだが、古くから木材に恵まれ、木材関連の伝統技能も多く蓄積されている日本において、改めて木材の良さが伝わる展示会だった。商品をただアピールするだけでなく、各地域の得意分野をアピール、発信すると同時に、それを求めている人々との交流の場となっていたようだ。

ふるさと建材・家具見本市
■会期 / 2018年11月20日~22日
■会場 / 東京ビッグサイト

■来場者数 /114,349名 (3日間合計/同時開催展示会を含む)

■出展者数 /124ブース/94社

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