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一般社団法人日本能率協会
2017/08/10

「住宅の省エネ基準の義務化」「ZEH」で変わっていく住宅事情を実感『第2回九州ホームショー』

九州だからこそ必要な省エネ住宅!

2017年7月5日~6日に、マリンメッセ福岡にて第2回九州ホームショーが開催された。一戸建てから団地・マンション・賃貸住宅まで、住まいに関する建材や部材、設備・サービスが一堂に会する展示会だ。

政府は、2020年までに「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」を標準的な新築の住宅の過半数に普及させるとする政策目標を掲げている。ZEHとは、住まいの断熱性・省エネ性能を上げること、そして太陽光発電などでエネルギーを創ることにより、年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)の収支をプラスマイナス「ゼロ」にする住宅だ。それに欠かせないのが断熱材。今回の展示ブースでも、断熱材メーカーの出展が多く見られた。

九州はもともと温暖な気候のため、家屋に断熱材を入れる意識が薄いという声をある。そんななか、2016年4月に熊本の大地震が起きた。それまで、鹿児島などに比べると地震の多い地域だという認識の薄かった場所での災害だ。前回の来場者アンケートを分析すると、あらためて住宅を見直すきっかけになったという声もある。

断熱材を持つ男性 実演

断熱材といっても種類はさまざまだが、今回はやはりリフォームにも対応できる特性のものが多く展示されていた。中でも吹きつけ型の断熱材メーカーは、バンに機材を積み、直接社員が施工に向かうという。2種の液体を混ぜると化学反応を起こし、空気を含んで膨張する。元々が液体のため、小さな隙間にも施工することができる。ホースの先から勢いよく吹き出た液体は瞬時に化学反応を起こし、壁に吹きかけられ発泡してふくれていく。九州の展示会で実演をしたのはこの会社が初めてだという。ブース担当者に聞くと「素材はウレタン性です。この5、6年で一気に商品が充実し始めました。しかしウレタンは高額だというイメージがあります。それを製造から施工まで一貫して管理することで、安価に提供しています。それで受注が増えて、またコストが下がるという具合で、どんどん他社との差別化を図っています。同時に社員が施工することで吹きつけの品質も統一しています」という。

しかしこうした断熱材を取り入れると、コストが大幅にかさむ。これが、特に温暖な九州で断熱材が浸透しなかった理由だろう。しかし断熱材の機能は、熱を遮ることだけではないという。

重要性が浮き彫りになった断熱材

古新聞から作られた断熱材を販売しているメーカーがある。古新聞とはいえ高性能で、断熱のほかに除湿防湿、吸音、防かび防虫効果がある。担当者は「ここ10年くらいで断熱材に対する意識が変わってきたのを感じます。消費者の中には、わざわざ指名してくださる方もいるほどです。省エネ効果があるのはもちろんですが、いい加減な施工をすると、壁と断熱材の間に隙間ができて、屋外と室内の温度差によって結露が起きます。その湿気が躯体を腐らせてしまいます。費用はかかっても、しっかりした断熱材を入れると省エネになるだけではなく、建物自体の寿命も延びるんです」

熊本の震災で建設された仮設住宅には、この断熱材が使用された。数年しか使用されない建物だが、だからといって安普請でいいというわけではない。被災地以外にいると災害はすぐに風化してしまうが、現地では数年で完全に復興できるというものでもない。早く仮設から出られればそれが好ましいが、5年、10年とそこにいる必要のある人たちがいることも想定しての施工だという。長屋づくりで、そもそも音が漏れやすくプライバシーが守られにくい環境にあるからこそ、しっかりと壁を作り込む必要があるのだ。その仮設住宅は、そのまま町営住宅として利用されるという。

施工費用が多少かさんだとしても、その後の暖房・冷房代、それに建物の寿命によるリフォームなどを考えると、決して高い買い物ではないだろう。断熱材にはさまざまな種類があり、特徴が異なる。来場者にとっては各社自慢の製品やサービスが一堂に会する展示会で、より希望に添った商品を選ぶことも可能だ。最新の情報が揃う展示会だからこその安心感もある。

リノベーションや空き家活用、民泊・・・、情報収集のための展示会利用

あらためて建物に対する関心が集まる中、九州ホームショーへの出展を検討している企業が、現地調査を兼ねて来場するケースも多いという。日本能率協会の『九州ホームショー』の担当者に聞いた。

九州ホームショー 九州ホームショー

 

「開催に当たっては、現地の新聞社や建築業界団体の関係者と積極的に連携を取り、地元の方たちと協力してこの展示会を作り上げています。来場された方からは、展示会での情報収集や商材の採用により、一般の施主さんへ新しい提案ができる、等の声も多く寄せられている」

新設住宅着工戸数は今後20年で7割ほど減り、年間54万戸ほどになるとも言われている。住宅は供給過多となっており、今後は空き家をどう活用するかが大きな課題でもある。
本展示会に付帯する講演会場では、国の施策の最新情報や、リノベーションなどの成功事例も発表された。今回も多くの聴講者を得て、ここでしか聴けないさまざまな情報が発信された。情報収集のメリットとしては各企業ブースの他、講演会もチェックが必要でもある。

県をあげて木材の活用に力を入れている自治体

県をあげて木材の活用に力を入れている自治体では、日本の良質の木の加工品を九州地区にも広めようと出展したところ、台湾や韓国からのバイヤーの興味を引いたという。首都圏への営業は、展示会以外にも機会が多いだろう。地域に密着した展示会は、地域ならではのメリットがある。首都圏では、やり尽くされたことでも地域においては初お披露目もあり、「××地区初!」という派手な演出で注目を集めることもできる。展示の規模は東京開催と比べるとこれからだが、その分、ピンポイントで自分の欲しい情報に当たることもできる。地域性を意識した展示も多いため、来場者には格好の情報収集の場だろう。

2020年を機に、建築業界はさらに慌ただしくなっていくと予想される。常に最新の情報を仕入れ、最適な選択ができる場としたい。

第2回九州ホームショー

■会期 / 2017年7月5日~6日

■会場 / マリンメッセ福岡

■来場者数 / 2805人(2日間合計)

■出展者数 / 65社/96ブース(前回58社73ブース)

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