ようこそ、展示会!ビジネス・産業振興のために

一般社団法人日本能率協会
2018/10/04

AIやIoT、ロジスティクスの進化から目が離せない
国際物流総合展の未来

2018年9月11日(火)~14日(金)、東京ビッグサイトにて「国際物流総合展2018」が開催された。出展社は479社、4日間の来場者も前回の64,071名、今回の来場予定者数67,000名を大きく上回る74,520名と、出展社、来場者ともに過去最大級の規模となった。

会場では、ベルトコンベアーやソーターといった「マテハン」などの仕分け機器や、高密度な収納棚とピックアップロボットを組み合わせた「自動倉庫ソリューション」といった大規模な装置展示が居並び、来場者の耳目を集めていた。注目の背景には大手物流装置メーカーへのAIやIoT対応の波の訪れがある。

ECの拡大、成長にともない、物流ニーズも年々拡大しているが、一方で少子高齢化社会の中でロジスティクスの業務に携わる労働人口が不足するなどの課題にも直面している。自動化にとどまらず、AIやIoTなどの先端技術を取り入れて物流業界の効率化を図る最新テクノロジーが集約する展示会でもあった。

そのような年々規模が拡大される成長業種の展示会を手がけるのが一般社団法人日本能率協会(以下、JMA)の本展示会担当者だ。

若手でも大規模なプロジェクトを任せてもらえる社風にやりがいを感じる。

過去には「FOODEX JAPAN」や「文教と公共の施設フェア 2018」などを手がけてきた大岡氏は、大規模なイベントを任されることにプレッシャーを感じつつも、大きなやりがいを感じているという。

「大きなプロジェクトの場合、当然ながら一人では遂行することができません。私の場合も先輩や仲間たちのサポートがあるからこそ、できるという面もあります。もちろん、ときには辛いこともありますが、メンバーや会社のサポートもあるのでなんとか乗り切れます。むしろチャンスを与えてもらっていると思えば、やりがいも感じます」

物流のキモはAIとIoT。日本から世界へ発進する展示会へ

そんな大岡氏に、「国際物流総合展2018」について、見どころと今年の特色を伺った。

「今年は何と言ってもAIとIoTですね。AIやIoTというとガジェットなどのイメージもあり、実用、実ビジネスにまでは至ってないという印象もありますが、物流では今後大きなファクターとなると確信しています。それが出展社の展示内容にも表れていると思います。今回の展示会では海外からの出展も増え、日本の物流改革の流れを的確に捉えていると感じています。一方、AIやIoTなどは日本が得意とする分野で海外へ進出する機会でもあります。来場者だけでなく出展社同士でも情報交換や協業のきっかけとなることも期待しています。」

実際に会場内でも、AIやIoT関連の展示は多く、大手物流機器メーカーなどは、AIやIoTを導入した新製品、ソリューション展示に力を入れていた。

たとえばAI分野では、「株式会社MUJIN」による知能ロボットコントローラーが多くの来場者の関心を集めていた。パレットへの積み降ろしや、カゴの中の商品や部品のランダムピッキング、などを「モーションプランニングAI」で行うことにより、高い精度で効率の良い作業を行えるとしている。

従来型のロボット導入には、メーカーごとに操作方法が異なり、ピックアップなどの諸動作をプログラム(ティーチング)する工程も煩雑で、イレギュラーな状況に対応できない問題があった。対応できない工程は人間に作業させるしかなく、完全自動化は大きな課題だったという。

 

一方MUJINによるシステムは、モーションプランニングAIを導入した汎用ロボットコントローラーを導入することで、異なるメーカーのロボットアームを組み合わせたとしても、短期間で導入することができる。Googleの自動運転カーに採用していることでも知られるモーションプランニングは、トライアンドエラーの中から最適解を導き出す機械学習(一般に理解されているAI)と真逆のアプローチで、作業前の状態と作業後の状態を指示するだけで、途中の工程(諸動作)をカメラやセンサーの情報から自動で組み立てるというもの。

さらに、MUJINでは倉庫の完全自動化に際して設計からインテグレーションまでワンストップで引き受ける。ロボット中心のレイアウトと人が介在するレイアウトでは設計が完全に異なるので、完全自動化を目指す場合には初期段階から携わってフルサポートするのが必須なので、倉庫の自動化について課題が発生したら、まずはMUJINに声をかけてほしいとアピールしていた。

ロジスティクスオートメーションを手がける「村田機械株式会社」では、カメラやセンサーを搭載したAGV(Automated Guided Vehicle、無人搬送車)や、柔軟なピッキング・ソーティングを行う搬送仕分けソリューション、自動倉庫システムなどのマテハン器機だけでなく配送や在庫管理、販売支援などの経営と物流を総合的に管理するソリューションパッケージなどハードウェア、ソフトウェアの両方でロジスティクスを支援する。

当初、IoTなどの流行に乗ってカメラやセンサーなどの搭載を始めたが、データを取ってみると見えてくるものがあり、現在はソリューション設計からコンセプトを煮詰めて機器設計、システム設計までを行なっている。

カメラやセンサーがあることで、運用現場の状況を確認でき、メンテナンスの判断やローテーションや修理部品などの発注などを適切に行えるほか、機器や車両などの利用率を平準化するなど稼働効率を上げることにも貢献している。

 

今後の物流のトレンドとしては、SKU(最小物流単位)が増える傾向にあると村田機械では分析。フレキシビリティーのある自動化が重要としている。また、在庫管理と販売システムなど最前線とバックヤード、経営がつながることで複数倉庫に分散された在庫をあたかもひとつの倉庫の在庫のように見せて、過剰在庫のリスクを軽減しつつも在庫不足による販売の機械損失を防ぐといった、経営上の課題解決までトータルで考える事がより重要になると見ている。

村田機械によると、現時点で開発、販売するIoT、AIを組み込んだ物流システムが稼働し、効果が見え始めるのはおよそ2年後になるという。そのときにはさらに次のソリューションが提示できるのではないかと、意欲的なコメントが得られた。

「国際物流総合展2018」で多く見かけたAIやIoTを組み込んだソリューションは、喫緊の課題を解決するのはもちろん、近い将来課題となる物流現場にも対応するものとなる。また、効率化が進んだ物流現場では、新しい課題も生まれることだろう。ロジスティクスのAI、IoT化はまだ始まったばかりなので、今後の業界動向には目が離せない。

国際物流総合展2018
■会期 / 2018年9月11日~14日
■会場 / 東京ビッグサイト

■来場者数 /74,520名(4日間合計)

■出展者数 /457社(830ブース)

ページの先頭へ