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一般社団法人日本能率協会
2018/10/04

AIやIoTで労働人口減少に対応する。
国際物流総合展2018

2018年9月11日(火)~14日(金)、東京ビッグサイトにて「国際物流総合展2018」が開催された。過去最大級となった本イベントではAIやIoT関連の出展も目立ったほか、海外からの物流拠点の提案や日本における物流拠点の提案など、ハブ機能など国際物流におけるポジション争いの面も垣間見られた。

多くのブースが展示されていた中でも、今回のトレンドとも言えるAIやIoT関連製品を出展していたブースや、今後の物流業界のキモとなりそうな展示があったブースを紹介する。

ベルトコンベアーやソーターなど「マテハン」と呼ばれる仕分け機器や、目下注目を集める「自動倉庫ソリューション」といった大型の器機を展示するブースも多く、広いコマ数を確保して、各出展企業は導入後の倉庫イメージをプレゼンテーションしていた。大きな装置をゆったりと一覧できるよう通路も広く確保され、快適な往来が確保されていたが、混雑時はそれでも行き交うのが困難なほど盛況を極めていた。

そのような大手国内メーカーがAIやIoTを組み込んだ新しいソリューションを展開する一方で、他社には真似できない独自の製品を長年アピールするブースもある。例えばオランダに本社を置くAmbaFlex社は、らせん状のベルトコンベアー「スパイラルエレベーター」のトップブランドで、日本においても20年以上の実績がある。「シンプルですが他社に真似できない技術とコストパフォーマンスによって、日本のお客様にもご愛顧いただいています。このような場に出展することで、新規顧客の開拓だけでなく、既存のお客様と交流もおこなえるので、国際物流総合展への出展は、大変意義があります」と担当者は語っていた。

IoTが普及する物流現場

「国際物流総合展2018」を一言で言い表すとしたら、「AIとIoT」となる。多くのメーカーがAIやIoTを駆使した製品やソリューションを展示、来場者の関心もひときわ高かった。

重機大手メーカーのコマツは、フォークリフトの運用管理を行う「KOMTRAX」(コムトラックス)や電動フォークリフトを中心とした展示で、来場者にアピール。従来、小型車両に多かった電動フォークリフトを中型車両まで拡大し、一部のハイパワータイプ以外は電動車両というラインナップ。背景には、バッテリーの性能向上と国際的な二酸化炭素排出規制への対応といった環境対応が挙げられる。

1時間程度の急速充電で、最大60%ほどのバッテリー残量が回復できる。重量のあるバッテリー交換作業が不要になったことで、現場での事故が減り、予備バッテリー管理の手間からも解放されるという。

「KOMTRAX」での管理は、各車両の稼働状況やバッテリー残量などもチェックされるため、効率的な配車やローテーションに活かされる。もともとは盗難対策などが中心だった運用記録は、認証規格を達成するための環境レポートとしての役割も期待されている。

 

HoneyWellが取り扱う「Connected Freight」は、光センサーや傾きセンサー、温度センサーなど5つのセンサーを搭載したデータロガーセンサータグと、GPSやSIMを内蔵したゲートウェイと組み合わせて荷物のトラッキングと状態を監視するものだ。バッテリーを内蔵し、最大60日の動作保証が付いているが、ログの取得頻度などによってはそれ以上の稼働も可能という。

医薬品や精密機械など、衝撃や温度変化が品質に影響を与える製品の運搬において、過程のセンサーチェックで品質管理ができるため、輸送プロセスの改善に貢献。到着後の検品で破損や品質劣化が確認される場合と比較して、迅速な対応が可能になったり、破損や盗難、紛失などがいつ・どこで(誰の責任時に)発生したなどが追跡しやすくなったりすることで、プロセスの改善や保険支払い時のエビデンスとしての役割が期待されている。

大和ハウスグループは、物流施設開発から物流システム設計、AMR(自立型移動ロボット)による物流ロボティクスなどを導入したトータルロジステクスソリューションを提案。

物流機能を集約し、ロジスティクス機能をシェアすることで、雑貨やアパレルなど小規模ECも含めたフルフィルメントサービスを提供する。

AMRは、注文を受けたピックアップ作業の際に、効率の良いルートで作業者を先導し、ピックアップ作業をサポートする。フルオートのロボットは高額で、倉庫も専用設計が必要となるため、シェアリングサービスには適さないが、人と一緒に仕事をするサポートロボットは、比較的安価で、柔軟な倉庫作業に適しているとしている。

キーエンスのハイスピードバーコードリーダー「SR−2000」は、高感度カメラとCPC照明によって、高速で移動する荷物のバーコードを素早く読み取る。また、暗い場所での読み取りや、荷物の高さが異なる場合にも読み取れる深い合焦深度を実現。従来、バーコードの向きや読み取り機との距離をそろえる必要があったが、高性能なカメラを使用することで、向きや位置にかかわらず、安定した読み取りを実現する。

もう一つの展示、高速オートフォーカスハンディターミナル「BT−300/W200シリーズ」は、距離が離れていても読み取ることができる性能を有する。液体レンズを採用し、高速なオートフォーカス機能を実現。これによって高い位置にある荷物など、手の届きにくい場所の検品も容易になった。また、OCR機能を内包し、ラベルの数値や型番などを読み取ることも可能。

システム全部を入れ替えるには、膨大なコストがかかるが、一部のコアパーツをリプレイスすることで、大幅な効率化、業務改善ができるという。

海外か日本か、物流拠点のポジション争いも激化

多彩な輸送形態に対応するCTWの国際物流センターは、台湾をハブに保税倉庫を展開し、海外からの部品や完成品を集約。日本向けや他のアジア諸国への輸送を行うことで関税や消費税を節約できる。

ある日本のアパレル関連会社では、東南アジアで製造した商品をCTWの国際物流センターに集約。ラベリングやリパッケージなど出荷先に対応する倉庫作業もセンター内で行われ、日本および各国向けに出荷される。海外生産が多いアパレルや製造業では、中間地点である台湾などに物流拠点を置いた方が、利便性が高くなるというわけだ。

また、CTWでは、半導体製造に欠かせない化学薬品などの危険物も取り扱えることで、アジア諸国や日本に分散する製造拠点を持つ日本企業の利用を促進したい意向だ。

一方、日本企業も手をこまねいてはいない。ヤマト運輸は沖縄空港に隣接したロジスティクスセンターを活用し、海外向けにクール宅急便を開始した。深夜に出発し、現地の早朝に到着する深夜便を利用し、外国の日本食レストランなどに新鮮な食材を届ける。決して安くはない価格であるものの、日本産の新鮮な食材を当日仕入れができるという付加価値が、高級日本料理店などでの需要に応えている。

沖縄のロジスティクセンターは、保税倉庫など国際物流センターとしての機能を持つ。家電製品などの修理パーツを物流センター内に持ち、国外からの修理持ちこみセンターとして運用することで、パーツ在庫の一元化など、効率化、コスト削減に貢献するとしている。

1970年代にBtoBの物流から個人宅配にシフトして急成長した同社だが、個人宅配事業は維持しつつ、再び法人向け物流業務を強化するようだ。

 

そのほか、会場でひときわユニークだったのは、日建リースが開発した「魚活ボックス」だ。水に二酸化炭素を溶け込ませて、魚を不活性化させる仕組みだという。

活魚輸送の場合、振動や加減速による水の揺らぎで、魚が驚いて暴れたり、ストレスで死んでしまうこともあった。また専用の活魚車は、大規模輸送には適しているが、小ロット、低頻度のニーズには適さず、割高になってしまう。魚活ボックスは、複数種類の魚を同時に運んだり、他の荷物と一緒に運ぶなど、活魚車をチャーターするよりも低コストで輸送することができるとしている。

また、不活性化した魚は、暴れたり、激しく動いたりしないので、水が汚れたり、身が痛むなども避けられる。不活性化(おとなしく)させることで、より多くの魚を水槽に入れることも可能。

魚の種類によって、不活性化に至るCO2濃度が異なるので、そのようなノウハウも込みでレンタルされる。

倉庫業務やロジスティクスのアウトソーシングなど大規模物流以外にも、小口配送や小さいものでは台車まで、様々な出展があった「国際物流総合展 2018」。EC運営に課題を感じる小売店や、会社の総務担当者まで、幅広く業務改善のヒントが得られる展示会だった。

国際物流総合展2018
■会期 / 2018年9月11日〜14日
■会場 / 東京ビッグサイト

■来場者数 /74,520名(4日間合計)

■出展者数 /479社/2,435ブース うち 海外 6ヵ国・地域 29社・団体/37ブース

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