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一般社団法人日本能率協会
2018/03/26

人手不足の解消や地産他消の促進を提案する『第10回 国際OEM・PB開発展』

OEM・PB受託企業やパッケージなどの開発支援企業が一堂に集まる『第10回 国際OEM・PB開発展』が、2月20日~23日の4日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された。歴史ある『国際ホテル・レストラン・ショー』や『フード・ケータリングショー』の同時開催の展示会であり、今回で第10回を数えるに至る。

第10回 国際OEM・PB開発展

OEM・PBがサービス業界で注目される理由

2017年のインバウンド市場が前年比19.3%増を記録し、ホテルや旅館、レストラン業界は活況だ。ところが、業界としては、手放しに喜べない。昨今、ホテルや旅館、レストランといったサービス業界における人手不足は深刻で、組織や業務の効率化といった現場の変革を促している。

そして、サービス業界における効率化の鍵を握るのが、OEM(Original Equipment Manufacturing)や、PB(Private Brand)の考え方だ。釈迦に説法かもしれないが、OEMはクライアントのブランド製品を生産することであり、PBは小売業者や卸業者が独自ブランドで販売することを指す。

サービス業界でOEMやPBを導入する目的は、平たく言ってしまえば、製造部門の一部または全部をアウトソーシングして、時間や労力といったコストを節約することにある。

たとえばホテル業界では、ひと昔前まで、宿泊客に出すパンを全部自分たちで焼いたり、スープの出汁を取るための野菜を自分たちで育てたりといったことも珍しくはなかった。現在はある程度外部で作ってもらい、それを購入して自社の厨房で調味料などを加えて“ホテル独自の味”として提供するケースが増えている。こうすることで、人手は掛からなくなり、ゴミも減らせ、生産性向上が図れるのだ。

こうした需要をにらむ出展者の多くは、自社製品を“ホテルやレストランで使ってほしい”、“中身だけ詰め替えて使ってほしい”、“簡単な加工を加えて使ってほしい”といった期待を込めてブースに並べている。

プライベートブランドの提案展示プライベートブランドの提案展示

扱いやすいよう小分けしていたり、運搬・保存の容易な包装になっていたり、あるいは特殊な成形を施すことで見栄えを良くしていたり、細かなカスタマイズに応じるといった差別化を競っており、アイデア商品も豊富だ。もちろん、PBを手軽に実現するための、包装やパッケージ、ラベリングを提案するブースもある。

ホテルやレストランなどのニーズ研究の場にもなる

出展者側が考慮しておきたいのは、ホテルであれ、レストランであれ、求められるものは“顧客”のニーズに左右されるという点。地域の催事に合わせてイベントで利用するものであれば、その地域の特性や催事の内容に合った商材が求められるし、災害の復興支援であれば特定地域の商品を揃えることで社会貢献につなげるケースもあるだろう。“顧客のニーズは時期や地域によって異なる”のだ。

もちろん、普遍的なニーズがないと言うわけではない。具体的には、商品価値そのものが高い商品の場合だ。OEMの場合、生産者の名前をあまり表に出さないケースが多いが、希少価値やブランド力があれば、その名前を原材料として打ち出したほうが顧客にメリットがあり、ホテルや店舗のブランド力向上にもつながる。たとえば“国産牛のヒレステーキ”よりも“松阪牛のヒレステーキ”のほうが顧客は喜ぶというわけだ。

食品を例に挙げたが、当然ながら食品以外にも同様のケースが当てはまる。タオルや文房具、アメニティなど業界の定番となるジャンルのほか、ロゴの作成にも対応したLED照明やコテージのような施設に最適な木造インテリアなど、展示会場にはさまざまな分野の製品が、ところせましと並ぶ。会場を訪れたホテルやレストランなどのバイヤーから、直接、自社の製品・サービスに対する評価を聴くことができるため、ニーズを研究するためには、うってつけの展示会と言えそうだ。

エルイーディーアクリルレターサイン木造インテリア展示品

『国際OEM・PB開発展』では、地方自治体が出展して、地域産品を展開しているケースも数多くみられる。会場に出展していた高知市のブースでは、自慢の地域産品を用意してOEMやPBとしての採用を狙う。これまでも、展示会などで地域産品を披露し、知名度アップに努めてきたが、それらをOEMやPBの素材として提供することで、着実なビジネスに結びつけられるというわけだ。地方にはバイヤーに“これが欲しい”と言わしめる魅力を持った地域産品が、まだまだ眠っているだけに、今後は、そうした魅力的な商品を抱える地方自治体の出展が、ますます増えていくに違いない。

高知市ブースおつまみ豆腐

相乗効果の高い同業者カテゴリーのある出展

会場を回っていて興味深かったのは“同じ業界の企業にもっと出展してもらって業界全体で存在感をアピールしたい”と話す出展者と“同業者がまだ出展いないからこそ出展している”と話す出展者の両方が混在していたことだ。

同業他社が出展している場に出展すると、体力勝負になって体力のない企業は不利になるのではないかという恐れは理解できる。場合によっては、自社の顧客を他社に取られてしまうのではないかといった懸念もあるだろう。自社製品の競争力が目新しさしかないと自己分析していれば、なおさらかもしれない。

だが、来場者側の目から見ると、やはり同じ業界がまとまって出展されていたほうが、足を運ぼうという意識は高くなる。

『国際OEM・PB開発展』の担当者は「カテゴリーができるくらい集まっていたほうが、単純に見比べられますから、来場者にとっては絶対に良いでしょうね。何と言っても、展示会は見て触って感じられることが醍醐味ですから」と語る。

「出展者にとってもデメリットよりもメリットのほうが大きいはずです。たとえば、すぐ隣のホールでは、ホテルや厨房設備機器展など人手不足を課題とするサービス産業の展示会が開かれています。これらの展示会に来場する人たち、あるいは出展している人たちは、『国際OEM・PB開発展』の出展者とは相性が良いはずなんです。同じ業界でまとまって出展すれば、目立って気づいてもらいやすくなります。新しいクライアントを獲得するチャンスは大きいのではないでしょうか」

『国際OEM・PB開発展』の担当者

出展者の多くは、ターゲットの来場者をホテル・レストランのバイヤーや支配人と考えているが、OEMやPBに関心があれば別の業種でも、もちろん歓迎される。そういう意味では、『国際OEM・PB開発展』は、視点をどこにおくかで見方がいろいろと変わってくる興味深い展示会である。業界を盛り上げるため、新しいつながりに出会うため、あるいは研究のためなど、さまざまな角度から出展する価値が見いだせる展示会と言えるのではないだろうか。

国際OEM・PB開発展2018

■会期 / 2018年2月20日~23日

■会場 / 東京ビッグサイト

■来場者数 / 6万1191人(3日間合計)※併設展示会を含む

■出展者数 /78社(100ブース)

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