ようこそ、展示会!ビジネス・産業振興のために

一般社団法人日本能率協会
2015/07/24

すべての展示会はここからはじまった。『メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2015』

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JMAの産業振興センターにとって『メンテナンス・レジリエンスTOKYO』は、特別な意義を持つ存在だ。いまや、年間30本を超えるさまざまな展示会を主催するが、そのスタートは“メンテナンス産業”の展示会だったである。ここがなぜ、JMAの起点となったのか。今年の展示内容とともに、その理由を探っていこう。

最新テクノロジーが、暮らしを“安全”に保つ

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ひと言でメンテナンスと言っても、その分野は幅広い。なかでも近年、課題となっているのは、橋やトンネルなど公共インフラの老朽化とその対策ではないだろうか。こういった構造物の場合、まずコンクリートのひび割れやボルトのゆるみなどを調査し、修繕が必要か判断する。しかし人が容易に入れない箇所も多く、これまで調査にかなりの人員と時間を割いていたのだ。

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重機をはじめとする作業機のレンタル企業で発見したロボットカメラは、そうした問題をすべて解決する。長さ調節ができるポールに取り付けてあるため、どんな狭い場所もスムーズに入れる。操作はすべてタブレットで行い、ひとつのアプリケーションで写真管理やひび割れの測定が可能だ。なによりカメラの性能がすばらしい。東京ビックサイトの端から端までくっきりズームでき、ピント合わせも早い。さらにポールも含めて全体的に軽量設計されているので、ひとりでも持ち運べる。

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これらをたったひとりの開発者が設計したというのだから驚きだ。直接話を聞いてみたところ、自ら現場に立つことで使用者目線の製品が作ることができたという。本展は地方自治体をはじめとした行政関係者も、多数全国から多数来場する。展示会の手応えを尋ねたところ、公共事業を中心にたくさんの問い合わせがあったそうだ。こうした最先端テクノロジーを活用し、より安全な社会が保たれるよう期待していきたい。

社会を“安定”して動かす、各企業の専門性

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同じく公共性の高い分野として、主に電力関係のメンテナンスを行う企業を発見した。発電所をはじめとした大型構造物から電力ケーブルまで対応し、診断や補修を行っている。

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なんとこちらの企業、本展の出展がきっかけとなり、別事業の案件を受注した実績を持つ。発電所のパイプを点検・洗浄する独自のシステムを、吊り橋のワイヤーに応用できないかと話がきたのである。以降、瀬戸大橋や大鳴門橋といった長大吊り橋のハンガーロープのメンテナンスを毎年行っている。

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すでに高い評価と確かな取引先を持つ専門企業が、こういった展示会に参加するメリットを見出せずにいたのだが、それが大きな間違いであると気づかされた。メンテナンス
業界はどの企業も専門性が高い。その技術やノウハウは活躍の場を限定するのではなく、ひらめき次第で可能性をいくらでも広げられる。

継続した防災への取り組みが、人々の“安心”に

さて、本展は“レジリエンス”の言葉が示すとおり、点検・補修だけを対象にしているのではない。未来に向けて対策を立てていくことも重視している。その最たる例は「防災」だ。

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鉄骨階段メーカーでは、津波避難タワーを発表していた。これまでのノウハウを活かし、ステップや手すりなど子供や高齢者にも昇りやすい構造を特長としている。地方自治体を中心に声がかけられている。

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もちろん防災への取り組みは行政だけの問題ではない。「これまで、ほとんどの企業が非常食やヘルメットの備蓄することで防災対策をしたつもりになっていました。しかし、実際に災害が発生した場合、それでは不十分なことが多いのです」と教えてくれたのは機械・住宅系商社の担当者。そのためこちらでは、社員数やオフィスレイアウト、拠点箇所といった各企業の規模に合わせた防災対策プランをパッケージ化して提案する。また災害時、対策本部として使用できる防災備蓄倉庫を開発した。いざというときは簡易トイレなども設置できる。そのままワイヤーで持ち上げられる構造のため、迅速に必要箇所へ運ぶことも可能だ。

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東日本大震災を経験した日本にとって、災害対策を行うことは精神的安定にもつながる。行政・民間問わず、継続して取り組む必要性を強く感じた。

メンテナンスとレジリエンス。この分野は、私たちの暮らしやビジネスの“安全・安定・安心”を保つ上でなくてはならない存在。まさに社会の裏方だ。この日本の底力にスポットライトを当て、さらなる発展を手助けすることこそ本展の意義ではなかろうか。そして、これはさまざまな産業の発展を裏で支えてきた、JMAの活動にもつながっていく。

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そのため、JMAでは展示会を単なるショールームとは捉えていない。他企業との交流や最新情報を提供する場としても活用できるよう、いくつもの業界セミナーも開催される。長年の実績により来場者の期待も高く、どの会場にいつ行っても、ほぼ満席。展示会と並行していくつものステージを企画・運営するのはかなりパワーがかかる仕事ではないだろうか。

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実は開催前、JMA担当者に大変では?とたずねてみた。「でも辛さは感じません。社会のためになる企業を応援できることは、なにより楽しいです」。日本の裏側を支えるプロフェッショナル精神を学んだ気がした。

『メンテナンス・レジリエンスTOKYO2015』
■会期/2015年7月22日〜24日
■会場/東京ビッグサイト
■来場者数/3万679人(3日間計)
■出展者数/332
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