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一般社団法人日本能率協会
2018/08/21

新しい製品やサービス、ソリューションが目白押し 多彩な展示に圧倒された『メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2018』

 7月18日から3日間に渡り、東京ビッグサイト(東京国際展示場)で『メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2018』が開催された。この展示会は、今年で42回目となる工場の設備管理や保全技術を扱う『プラントメンテナンスショー』をはじめ『インフラ検査・維持管理展』など大小さまざまな専門展を含む大規模なものだ。さらに『スマートエンジニアリング TOKYO 2018』『文教と公共の施設フェア 2018』なども同時開催され、1日ではとても見て回れないほどの規模となっている。もちろん、各社ともユニークな製品や独自技術、サービスの提案などをアピールしており、会場内は活気あふれる状況だった。ここでは『メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2018』の中でも最近注目度が高まっている『気象・環境テクノロジー展』『事前防災・減災対策推進展』を中心にレポートしていこう。

上空の状況を調べるドップラーレーダーを始め、環境計測用の各種センサー展示が多かった『気象・環境テクノロジー展』

 ほかの展示会と比べ、出展ブース数は少ないものの、気象観測や自然エネルギーの活用といった観点から気になる展示が多かったのが『気象・環境テクノロジー展』。とくに目を引かれたのが、上空の風向、風力を計測できるドップラーレーダーだ。会場内の展示物としては大きなものだが、ドップラーレーダーとしては十分小型、軽量で、車に載せての移動も可能というのだから頼もしい。ビル風など複雑な都市部の風況観測、風力発電施設を建設するための調査、空港付近での風況観測など、その用途は多岐にわたる。移動可能でありながら数百メートル上空まで観測できるとあって、興味をもつ人が多かったようだ。

 

 

 

 また、雲の高さやPM2.5や黄砂などの飛来状況を観測できるシーロメーター、濃霧や豪雨、吹雪などによる視界不良を検知する小型視程計、凍結などの路面状況をリアルタイムに測定する車載型路面センサーなど、航空機や車といった交通手段への影響をする機器もあり、単純な調査目的の気象観測だけでなく、実務的な機器も散見された。このほか、工場や工事現場などで使える小型の粉塵モニター、各種計器を組み合わせた気象観測システムの提供といったものも展示されていた。

 

 

予期せぬ大雨による土砂崩れ、災害時の事故防止などに役立つ『事前防災・減災対策推進展』

 ここ最近、異常気象ともいえる集中豪雨や降雪、台風、そして突然やってくる地震などの自然災害による被害が目立つようになってきている。こういった災害そのものを防ぐことは難しいが、被害を軽減させることはできる。『事前防災・減災対策推進展』では、河川の監視などで状況をリアルタイムに観測するものや、土砂崩れなどの災害を軽減させるものなどを中心に、ユニークな展示が多く目立っていた。

 特に監視については、電源確保が難しい危険地域や僻地でも使える自立型のシステムとなっているものがみられた。また導入コストが比較的安めで、地方自治体や個人でも設置・利用しやすいものもあり、防災意識が高まっている現状があると感じられる展示だった。

 

 

 災害対策で力が入れられていたのが、落石・崩壊土砂といった二次災害への対策だ。大雨で地盤が緩んだり、地震などでこういった災害が起こると止めようがなく、建造物に物理的な被害が出てしまうほか、道路の断絶から交通手段が失われ、復旧工事が終わるまで陸の孤島になってしまうということもある。

 本格的に対策するなら砂防堰堤などの建造が望ましいが、これはあくまで大規模なものに対する対策。道路わきのちょっとした切れ間、小規模渓流の土石流・流木対策として注目されていたのが杭とワイヤーを使ったものだ。比較的安価なことや工期が短いことはもちろんだが、規模に応じて柔軟に対応できることも魅力だろう。また、砂防堰堤工事中の安全対策としての落石・崩壊土砂を防ぐワイヤネットやフェンスなどがジオラマで再現され、分かりやすく展示されていた。

 

  
 
 直接的な災害対策ではないのだが、興味深かったのが通行止装置遠隔管理システムだ。通常、通行止めを判断するには人が現地に赴いて作業する必要があるが、遠隔地からカメラなどを通じて状況を判断、そして状況に応じて遠隔操作で通行止めにできるというのがメリットだ。アンダーパスが冠水しているのを目視できる状況でも、ギリギリ通れるかもしれないと車で突っ込み、立ち往生してしまうという被害は多いが、こういった冠水にもいち早く対応できるわけだ。また、人が危険な現地に行かずに済むため、安全上の面でもアドバンテージがある。

 

 

 
 
 このほか、電気を使わずに利用できる防災井戸や浄水器も展示されていた。電気を使わない手動のポンプとなるため大量の水をくみ上げるのは難しいが、水道や電気が途切れた状況でのライフライン復旧までに困りがちな水を確保できるというのがありがたい。避難所となる場所はもちろんだが、地域貢献として企業が設置することも多いそうだ。

 

 
 

同時に開催されていた他の展示会にも気になるものが多数

 もちろん『メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2018』で展示されていたものは、ほかにも数多くある。たとえば『インフラ検査・維持管理展』では、画像処理を使った道路やトンネルの検査、ドローンやロボットを使った建築物検査などが数多く展示されていた。

 ユニークなところで言えば、自己治癒コンクリートがある。これはバクテリアと栄養分をカプセル化したものをコンクリートに混ぜたもので、コンクリートがひび割れ、内部に水が浸入するとバクテリアが活性化し、ひび割れを防いでくれるというものだ。強度に変化はないものの、内部の鉄筋への腐食が止まるだけに、老朽化対策、長寿命化が期待できる。もうひとつ自己治癒材料として展示されていたのが、アスファルト。こちらはバクテリアを使うのではなく、スチールファイバーを混入させたもので、誘導電流によって加熱されるとアスファルトが溶け出し、ひびを埋めてくれるという仕組みだ。

 

 
 
『建設資材展』では足場材や重量物を運ぶ電動アシスト台車などを多く見かけたが、少し変わったものとして気になったのが、材料にFRPを使っているという足場材だ。通常のものと違って絶縁性に優れているため、鉄道関連や鉄塔の工事などで活躍しているそうだ。また、電波や磁力を透過することや腐食の心配がないこと、軽量といった特徴もある。

 

 連日の暑さもあり、同時開催で盛況だったのが『猛暑対策展』。塩タブレットや冷却スプレー、空調服、ミスト散布機、大型冷風機など、小物から巨大なものまで、あらゆる猛暑対策製品が展示されていた。多くの冷風機が動いていたということもあり、多くの来場者が集まっていたにもかかわらず、猛暑対策展周辺はひときわ涼しく感じるエリアとなっていた。大きな会場向けの冷風機の中には、通常なら人に向けて送風するものだが、周囲のブースへの迷惑を考え天井に向けて動作させているほど強力なものもあった。

 

 
 
 会場内でもとくに異質……というと言葉が変だが、ほかとは違った雰囲気となっていたのが『文教と公共の施設フェア』。美術品を守るための空調機器、館内の音声ガイドシステム、焼き物による文化財の複製、美術品の転倒を防ぐ免震台などが展示されていた。

 

 

 

プラント設備のメンテナンス技術を中心に、環境テクノロジーや防災技術から美術品の復元まで、非常に幅広いジャンルを扱うだけに『メンテナンス・レジリエンスTOKYO』は、業界のトレンドを知るにはうってつけだ。
日本能率協会の同展示会の運営担当者は「今回の『メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2018』では、プラント設備を中心とした展示会ですが、昨年、特別企画として設けていた“i-Construction特集”が『i-Construction推進展』に発展するなど、最新の業界動向をいちはやく掴める展示会だと思います。今年は『事前防災・減災対策推進展』が脚光を浴びていましたが、来年度は『建設副産物リサイクル技術展』などを新設して、環境テクノロジーに注目が集まることが予想されますね」と語る。

 普段接点のない他業種の製品、動向にも触れられるのが大型展示会のいいところ。見て回ることでアイディアが生まれたり、コラボによる製品開発の可能性などがあり、新しいビジネスチャンスを見つけるのにも役立つことだろう。


メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2018
■会期 / 2018年7月18日〜20日
■会場 / 東京ビッグサイト

■来場者数 / 28,959名(3日間合計、同時開催の生産システム見える化展、生産ロボット展、工場内物流自動化展を含む)
■出展者数 /457社(830ブース)

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