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一般社団法人日本能率協会
2018/08/21

工場・プラントのエンジニアリングを次世代へといざなう イノベーションに溢れた展示会 『スマートエンジニアリングTOKYO 2018』

工場・プラントの環境対策、省エネ化、IT化の推進を中心に、大小あまたの出展者と来場者が集う、総合エンジニアリングの展示会『スマートエンジニアリングTOKYO 2018』が、7月18日〜20日の3日間、東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催された。

今年は省エネ・プラントショーから改称した『プラントエンジ・設備機器展』をはじめ『水イノベーション』『省エネ・創エネ技術推進展』『産業廃棄物リサイクル技術展』『プロセス産業と IoT&AI』の5つの専門展示会で構成した。

同時に、保守・検査・安全・リサイクルなどを扱う9つの展示会を集めた『メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2018』、それに『生産システム見える化展』『猛暑対策展』『文教と公共の施設フェア』も同時開催となり、東京ビッグサイトの東1〜5ホールには合計20もの展示会がひしめき賑わった。

ここでは『スマートエンジニアリングTOKYO 2018』の中でも『水イノベーション』と『プロセス産業と IoT&AI』に焦点を当てて、今年のトレンドと会場の雰囲気を紹介したい。

世界が見つめる『水イノベーション』

『水イノベーション』は、工業用途と上下水施設の水処理技術、水インフラのスマート化推進がテーマの展示会となっている。

出展者のブースには、汚水を濾過(ろか)して排水したり、採用したりできる水にするための装置や設備の数々が並ぶ。水の熱を省エネに活用する提案なども展示していたが、ほとんどは汚水処理のソリューションだ。四角だったり、円柱だったりする大小さまざまな水槽には、チューブが繋がり、水槽の中の汚水をフィルターやバブル、微生物、あるいは植物由来の廃水処理剤などで浄化している。もちろん、多くは今展示会のために用意されたミニサイズのモデルで、汚水も周囲に悪臭を放つことのないサンプルだ。

中にはフィルターでの濾過をコーヒーのドリップに見立てて、カフェのカウンター風の商談スペースを用意したブースもあって目を引く。

流行を感じさせるのは、樹脂などからスポンジのような気泡構造の担体(たんたい)を作り、そこに微生物を固定化して水槽に入れ、浄水に利用する仕組みで、数社が展示していた。出展者により担体はキューブ型、球型、円盤型などをしており、大きさも導入コストもまちまち。住まわせる微生物によって浄化の得意な汚水の種類も変わる。

 

 

『水イノベーション』は、今後国内外の需要がますます見込まれる。海外では製造業のコスト競争力を高めるために、工場廃水を適切に処理せず、河川に汚水を垂れ流し続けて環境問題になっている途上国が少なくない。これらの国々では安価に導入できてメンテナンスの容易な水処理技術は渇望されており、水処理ベンダーには大きなビジネスチャンスになっている。そうした背景の下、インドネシア、ミャンマー、ベトナムといった東南アジアの国々から、水事情の説明と投資を募るビジネス相談のブースが出ていたのは、たいへん印象的だった。

IoTとAIで産業のプロセスを高効率化

一方『プロセス産業とIoT&AI』は、工場・プラントにおける設計・調達・建設・運転・保全をつなぐ、IoTやAI(人工知能)がテーマの展示会となる。IoTやAIの活用で、工場・プラントをより効率良く運用するソリューションと言い換えても良いだろう。このため、展示内容はブースによって大きく異なっていた。

たとえば、AIを不良品の検知や異常の要因推定に利用して、歩留まりの向上やコスト削減、品質向上などに役立てたり、新製品開発における物性予測に利用して、製品価格率の向上やリードタイム短縮などに使用する展示だ。ラインでの異常検知には、センサーでチェックした結果をAIで解析する手法も提案されていた。異常な部品の検知や、それらが発生しやすい場所の追跡に利用すれば、ラインの効率化につながるという狙いである。

 

 

ほかには、ネットにつなげて、利用傾向をAIで解析してメンテナンスの必要性などを予測する展示も目に留まった。また、ユニークなところではハードディスクのデータを安全確実に消去して破棄するシステムを展示する企業も出展していた。

社会と産業の構造が変革する先で勝ち残るために

『スマートエンジニアリングTOKYO』は、2年に1度開催するイベントだ。業界のトレンドを知るだけではなく、予測することにも大いに役立つ。日本能率協会の同イベントの運営担当者は「『スマートエンジニアリングTOKYO』は、工場やプラントの省エネ化および環境対策を支援することをテーマとした展示会を集めたイベントですが、労働力の減少が避けられない、いまの状況では、省エネ化や新技術だけではなく“効率化”も求められています。次回は『プロセス産業とIoT&AI』が、さらに注目を浴びると思いますし、いまは関連性の薄いと感じている企業でも“AI”や“IoT”の技術を持っていれば、ビジネスに発展する可能性も十分にあります。『スマートエンジニアリングTOKYO』を新しいビジネスチャンスを掴むきっかけにしてほしいですね」と語る。

現代は、第四次産業革命(インダストリー4.0)の真っ只中とされる。さまざまなものがネットにつながるIoT環境が進み、AIがデータ収集と解析を積み重ねて自律するようになる。製造や建設の現場では、生産や保守、廃棄のプロセス、人々の働き方などがどんどん進化していく。

新たな社会・産業構造の変革の先で勝ち組となるには、どこを見つめてビジネスすれば良いのか。そのヒントが随所に見られる本展示会は、来場者として訪れるだけでも大きな収穫を予感させる。一歩進めて出展者として参加することで、ビジネスチャンスがさらに広がるプレイヤーも多いはずだ。自社のプロダクトやサービスの周知、密度の濃い人脈の拡大が期待できる展示会を是非有効に活用してほしい。

スマートエンジニアリングTOKYO 2018
■会期 / 2018年7月18日〜20日
■会場 / 東京ビッグサイト
■来場登録者数 / 4,842人(3日間合計)
■出展者数 / 78社(154ブース)

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