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一般社団法人日本能率協会
2017/08/16

ICTと建機が融合したソリューションが建設業界を変える! 特別企画『i-Construction 特集』を大紹介

現場の人手不足をICT技術で補う「i-Construction」

 国土交通省では、2016年度からICT技術を活用することで、建設現場の生産性向上を目指す取り組み“i-Construction”を打ち出している。『メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2017』に出展している企業は、建設に関連する企業も多数あり、多くの企業でi-Constructionに取り組んでいる。その流れを受けて『メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2017』の会場内では特別企画として『i-Construction 特集』を展開していた。ここでは、クラウドと連携した遠隔操縦システムやセンシング技術による建機の制御アシストなど『i-Construction 特集』をレポートしていこう。

 さて、レポートをはじめる前に、まずは『i-Construction 特集』を企画した、日本能率協会担当者に、なぜいま、建設業界にi-Constructionが必要なのかを聞いた。

日本能率協会担当者

「土木工事や建設現場では、少し前まで、人数を集めてマンパワーで解決するのが一般的でした。ですが、いまでは、そういった仕事に携わる人が減少しており、建設業界では人手不足が深刻化しています。現場の人手が少ない中で、どうやって工期内に作業を終わらせるかを考えたとき、ICT技術を活用するということが、自然の流れだったのではないでしょうか。そういった背景もあり、業界全体が変わろうとしていますね」

 従来は、人手に頼っていたが、働き方改革が叫ばれるいまの時代、大規模な建設現場で、必要な人数を集めることや効率性を高めることは容易なことでない。工期の遅れは、建設業者にとってもダメージになる。国土交通省がi-Constructionを打ち出すまでもなく、ICT技術の導入は業界に必要なことだったというわけだ。

 i-Constructionが必要となった背景がわかったところで、気になる『i-Construction 特集』のポイントを聞いた。

「ひとつは、クラウドを利用した管理システムですね。いま建機がどこで稼働しているのか。作業がどの段階まで進んでいるのかといったことなど、遠隔地から確認することができるようになっています。遠隔操作ができるシステムも登場しているようですね。また、建機を操作する際の支援機能ですね。建機に、さまざまなセンサーを搭載することで、掘削する場所や度合いを制御したり、作業のクオリティを向上したり、従来は経験や勘に頼っていた部分をカバーする仕組みです。その2点が『i-Construction 特集』の見どころになりますね」

 遠隔管理とセンシング技術が、現在、i-Constructionで注目されているポイントというわけだ。2つのポイントを踏まえつつ、『i-Construction 特集』を眺めてみよう。

測量から建設まですべてをカバーする新世代のソリューション

 『i-Construction 特集』で、最も存在感を示していた企業のひとつでは、ひと際、目立つICT油圧ショベルや測量用のドローンなど、同社の建設現場向けICTソリューション「スマートコンストラクション」の数々を披露。建設現場の将来の姿を垣間みせていた。

KOMATSUブース ICT油圧ショベル

 ブースに展示されていたICT油圧ショベルは、同社の開発した過堀防止機能「セミオート」を搭載。操縦者が誤って掘削しすぎてしまうことを防ぐ。また、従来は作業員の技量により、出来栄えが変わったが、このシステムでは一定の品質を確保できるという。

現場EDGE処理展示

 作業現場を上空から測量するドローンも「スマートコンストラクション」シリーズのひとつ。数十分程度飛行するだけで、数百万か所のポイントを測量し、1日で作業現場の詳細な3Dデータが完成するという。そのデータをクラウドにフィードバックすることで、作業の効率化が図れるのだ。

展示品 展示品

 こちらは、作業現場に基準点を設置して、建機側に内蔵されたセンサーが、その位置を把握する仕組み。現場の測量ポイントを基準として、建機の位置をアジャストし、作業の正確性を確保する。ドローンなどのような外部の測量機器が必要なく、当然、3Dデータを作成する必要もない。より手軽に利用できる点がメリットだ。

ICT建機を疑似体験できるシミュレーター ICT建機を疑似体験できるシミュレーター

 出展者の中には、来場者がICT建機を疑似体験できるシミュレーターを用意しているところもあった。手元のサブディスプレイには建機の状態が表示され、状況を把握しながら作業ができるのが特徴。また、ブザー音によって誤操作を防ぐ仕組みも備えており、経験の少ない作業員でも間違いなく操作できるように設計されていた。

道路をメンテナンスするためのソリューション 道路をメンテナンスするためのソリューション

 道路をメンテナンスするためのソリューションも展示されていた。まずは、計測センサーを車載した車両で路面をスキャン。そのデータを元に設計データを作成。ICT切削機が設計データに合わせて路面を補正し、最後は超音波センサーを備えたICTアスファルトフィニッシャーが設計データどおりに路面高さを合わせて仕上げる仕組み。道路は定期的に補修が必要なインフラで、しかもその作業量は膨大だ。同システムは、計測時に交通規制の必要がなく、補修作業も効率的に進められる。今回の展示会では参考出展だったが、正式にリリースされれば、道路の補修作業にかかる時間を大幅に短縮できるだろう。

先進的なICT技術がi-Constructionの新たな扉を開く

 各社がICTを活用したソリューションを開発し、驚異的な速さで測量できるシステムや無駄な操作を排除する建機のコントロールシステムなどを展示する中で、異なるアプローチの技術を展示しているブースもあった。仮想空間として作成したデータを現実世界で重ね合わせて体験できる“Mixed Reality”(複合現実)を導入した展示だ。

マイクロソフトの「HoloLens」(ホロレンズ)を利用した“Mixed Reality”のコンテンツ マイクロソフトの「HoloLens」(ホロレンズ)を利用した“Mixed Reality”のコンテンツ

マイクロソフトの「HoloLens」(ホロレンズ)を利用した“Mixed Reality”のコンテンツを展示していた。ホロレンズは、単体で空間を認識できるゴーグル型のディスプレイで、透過型のガラスに映像を投影する仕組みのため、デジタルコンテンツと現実を融合できるのが特徴。デモンストレーション用のコンテンツはブース一杯に広がる建築物で、その中を歩き回ったり、ブースの外から眺めたりといったことができた。

 ホロレンズのメリットは、単体で空間を認識できる点。従来は、別途、空間認識用のセンサーの設置が必須になるため、限られた空間でしかユーザーの動きに反映できなかったが、ホロレンズならそれらの準備は必要ない。建設現場でも問題なく利用できる。操作ガイドの表示や工事箇所の指示などを表示すれば、作業員が初心者でも、スムーズに建機を操作可能になる。i-Constructionは、まだまだ進化の余地が残されているのだ。

 ICT技術を導入し、従来の仕組みから大きく変化を遂げている建設業界。早くもi-Constructionの効果が出始めている。とはいえ、さらなる進化は建設業界だけでは難しい面もあるだろう。i-Constructionの第2幕は、先進的なICT技術を持った企業がカギを握っているのかもしれない。

メンテナンス・レジリエンスTOKYO

■会期 / 2017年7月19日~21日

■会場 / 東京ビッグサイト

■来場者数 / 3万8463人(3日間合計、他の同時開催展の入場者数を含む)

■出展者数 / 522社/861ブース(前回469社738ブース)

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