ようこそ、展示会!ビジネス・産業振興のために

一般社団法人日本能率協会
2017/05/17

技術力を披露するだけではない 自社の製品や技術の価値を“見直せる”『TECHNO-FRONTIER 2017』

市販前の製品や開発中の技術を先取り!

4月19日〜21日の3日間、幕張メッセ(千葉県)で『TECHNO-FRONTIER 2017』が開催された。今年で35回目を迎える同展示会は、336社が参加。会場は『モータ技術展』を中心に『モーション・エンジニアリング展』や『電源システム展』『EMC・ノイズ対策技術展』など、8つの分野で合計738のブースが出展し、それぞれ分野に特化した最新技術が披露されていた。

TECHNO-FRONTIER 2017

今年で35年目を迎えた『TECHNO-FRONTIER 2017』。最新のデバイスや研究中の技術など、メカトロニクスの最先端情報が目白押しの展示会なだけに、開場直後の来場者向け受付は長蛇の列になっていた。なお『TECHNO-FRONTIER 2017』を訪れた来場者は、3日間で約2万人にものぼった。

幕張メッセのホール4〜6 来場者

幕張メッセのホール4〜6までに700以上のブースが設けられ、来場者が詰めかけていた。会場全体の規模は、比較的コンパクトに収まっていたが、出展者も来場者も技術者の割合が多く、ほかの展示会と比べて、出展者と来場者のコミュニケーションが濃密な印象。

ブース 制御技術を見せるデモンストレーション

ワイングラスを横に移動して、液体の揺れ方の違いを比べ、モータの繊細な制御技術を見せるデモンストレーション。奥のグラスが制御なし、手前のグラスが制御ありの場合。動きだしと停止するタイミングは同じだが、加速度をコントロールすることで、グラス内の液体の揺れが抑えられている。

SANYO DENKIブース 同期させていない2基のロボットアームを使ったデモンストレーション

今回の『TECHNO-FRONTIER 2017』におけるトレンドの1つはセンシング技術。代表的なのは、同期させていない2基のロボットアームを使ったデモンストレーション。部品を組み合わせたり、互いの場所に移し変えたりといった作業をスムーズにこなしていた。

ICT技術 Android端末と連動するシステム

 

HITACHIブース ICT技術を開設する男性

 

一方で、ICT技術の導入もトレンド。複数のコンポーネントをICT技術によって統合管理することで生産するモノの品質を管理したり、設備やマシンの状態を把握し、交換時期を知らせたり、生産体制の効率化が図られている。

また、Android端末と連動するシステムを展示している企業もあり、現場にいなくても、状況を把握したり、機器の操作ができたりするシステムも多く見られた。

一方で、ICT技術の導入もトレンド。複数のコンポーネントをICT技術によって統合管理することで生産するモノの品質を管理したり、設備やマシンの状態を把握し、交換時期を知らせたり、生産体制の効率化が図られている。

また、Android端末と連動するシステムを展示している企業もあり、現場にいなくても、状況を把握したり、機器の操作ができたりするシステムも多く見られた。

自動車を切断したカットモデルの展示コーナー エンジンやシャーシの断面

なお、会場の一角には、市販の自動車を切断したカットモデルの展示コーナーが用意。エンジンやシャーシの断面が見られ、しかもライトの点灯により、機能や仕組みを確認できるようになっており、開場直後から来場者がひっきりなしに訪れ、熱心に見学していた。エンジンユニットの展示もあり、クルマ好きにはたまらない展示内容だった。

『モータ技術展』をはじめとして『モーション・エンジニアリング展』『メカトロニクス技術展』『電源システム展』『エコパワーソリューション展』『EMC・ノイズ対策技術展』『熱設計・対策技術展』の8分野を展開。各所で出展者と来場者の濃密な会話が繰り広げられていた。

MITSUBISHIブースの男性 防水仕様のモータ

大手電機メーカーのブースでは、FA(ファクトリーオートメーション)製品を紹介しており、防水規格IP55に対応したモータを展示。ベクトル制御に対応したインバータと組み合わせて展示することで、きめ細やかな駆動制御ができることを訴求した。 1月に発売されたばかりだというレーザ変位センサは、シーケンサと組合わせることで、生産現場の計測データをシームレスに収集することで、品質管理やトレーサビリティなどに貢献できるという。

パワー半導体モジュール ブース内デモ機の遠隔監視

また、同メーカーのブースに展示されていたパワー半導体モジュールは、材料に炭化ケイ素を用いることで、消費エネルギーの大幅な低減を実現したタイプ。家電をはじめ、鉄道車両などで採用されるなど、高い省エネ効果を誇る。

技術者どうしの交流を新製品に反映するのが狙い

TECHNO-FRONTIER 2017』は、数多く開催されている国内のメカトロニクス系展示会の中では、決して規模は大きくない。

それにもかかわらず、業界の注目度という点では、すこぶる高い。というのも『TECHNO-FRONTIER』は“イノベーションを促進する”といった効果が見込めるからだ。

一般的な展示会では、訪れている来場者にバイヤーが多く、展示会のブースでそのまま商談になるケースも少なくない。また、米国で開催している『CES(Consumer Electronics Show)』のような展示会では、一般の来場も多く、各企業のブランディングのために出展しているケースも多い。

対して『TECHNO-FRONTIER』の来場者は、製品設計の担当者や生産現場の技術者など、開発に携わっている場合が多い。新しい製品やサービスを開発するための技術やデバイスを積極的に求めている人が来場しているというわけだ。

出展している企業側も、その状況を把握しており『TECHNO-FRONTIER』では、ブースの説明員には、最も詳しい技術者を起用し、来場者の対応をするという企業もある。結果的に商談の場だけではなく、技術者どうしの“情報交換の場”になることも多く、企業のコラボレーションに発展するケースも少なくない。

TDKブース TDKブース

たとえば、大手メーカーの中には、来場者の目的に合わせるカタチで『電源システム展&EMC・ノイズ対策技術展』向けと『モータ技術展』向けにブースを分けて出展しているケースもある。

情報交換の場ということ念頭に置き、ブース内の技術デモンストレーションでは、プロのナレータではなく、敢えて技術者が中心に話を展開。ブースを分割することで、それぞれが、より来場者と深くコミュニケーションを取る狙いがあるという。

開発中の電源システム 開発中の電源システム

『電源システム展&EMC・ノイズ対策技術展』向けのブースでは、開発中の電源システムを参考出展。従来、ラインナップしていたモデルをさらにコンパクトにしている。同シリーズは、コンパクトなサイズながらも、安全性などの条件に、きちんと適合した設計であることがポイント。

本来はクライアント側が用意する部分を電源システムへ内蔵したことで、省スペース化に加えコスト削減を実現している。新モデルでさらなる省スペース化を狙うという。

ワイヤレス給電システムの展示

電源システム、EMC・ノイズ対策のほか、ワイヤレス給電システムも展示されていた。1キロワットに対応するシステムで、電気自動車などの大型なモノに対応するための製品。小型デバイス向けのシステムもラインナップしているが『TECHNO-FRONTIER 2017』はFA分野に絡めて興味を持つ来場者が多いため、大型向けのシステムのみを展示していた。

角度を測定するシステム モータ技術展ブースの男性

こちらは同じメーカーの『モータ技術展』に出展しているブース。センシング技術を応用することにより、角度を測定するシステムを展示。自動車に搭載することを想定したシステムで、ハンドルの角度検知をしてパワーアシストを制御したり、アクセルペダルの角度を検知したり、運転を支援してくれる。

各ブースでは、詳細なな解説パネルが用意されていない場合もあるが、それでも説明員に熱心に質問している来場者は多い。そして説明員もそれに熱く答える場面がよく見られた。技術者の来場が多い『TECHNO-FRONTIER 2017』ならではの光景とも言える。

出展者同士がコラボして新たなビジネス展開を切り開く

一般的な展示会とは異なり、技術者の情報交換の場として、盛り上がりを見せている『TECHNO-FRONTIER 2017』。

一般的な展示会とは異なり、その場で商談に結びつくケースは少ないが、その反面、企業同士のコラボレーションや企業と大学など産学連携のきっかけになるという。出展を検討している企業には、じつに気になるところだ。そこで、過去の事例を主催している日本能率協会の『TECHNO-FRONTIER 2017』担当者に聞いた。

男性

「以前にあったお話しでは……出展者側では芝刈り機用としてモータを展示していたのですが、ほかの出展者の方から“自動車などに転用できるのではないか?”という意見を聞いて、そののち実際に自動車や産業機械のモータとして採用されたということがありますね。

また、今回の『TECHNO-FRONTIER 2017』では『第2世代ワイヤレスホイールモータ内蔵車両』という企画展示をしているのですが、東京大学の研究室と東洋電機製造と日本精工のコラボによって実現しました。

ワイヤレス駆動のインホイールモータ(車輪内にモータを搭載する方式)に走りながら給電ができるEV(電気自動車)で、世界初の技術になりますね。ちなみに、直接、給電システムには関連していませんが、出展企業のキャパシタという電気を貯める技術も採用されていまして『TECHNO-FRONTIER』の成果と言えるものでもあります。技術自体が目新しいものですので、街中で走るというまで浸透するには時間がかかるかもしれませんが、ぜひ実用化してほしいですね」

企画展示コーナー 走行中のEV車輪内のモータに充電できる世界初の取り組み

企画展示コーナーでは、走行中のEV車輪内のモータに充電できる世界初の取り組みを紹介。複数の企業が大学の研究室の共同開発しているプロジェクトで、こういったコラボが実現できるのも、展示会ならでは。

芝刈り機用に開発したモータを自動車や産業機械へ転用するといったビジネスが広がったり、次世代の交通システムの開発といった100年後を見据えたシステム開発であったり、『TECHNO-FRONTIER』には、自社の製品や技術を別の角度から見直すための“きっかけ”があふれている。

来場者として参加するだけでも得られるものはあるが、製品や技術を持っているなら、出展者として参加してみる選択肢を選んでみてもよいかもしれない。思いもよらなかった出会いが、ビジネスを飛躍させてくれるだろう。

TECHNO-FRONTIER 2017

■会期 / 2017年4月19日~21日

■会場 / 幕張メッセ

■来場者数 / 1万9866人(3日間合計)

■出展者数 /370社(746小間)

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