ようこそ、展示会!ビジネス・産業振興のために

一般社団法人日本能率協会
2017/08/25

食品から、塗料、そして人間エアコンまで。さまざまなアプローチの猛暑対策の展示会 『第3回 猛暑対策展』

2020年の東京オリンピック・パラリンピックが決まったが、不安を覚える人は多いのではないか。夏はこの猛暑だ。鍛え上げられたオリンピアンですら倒れそうな蒸し暑さ、一般人に耐えられるのか。 慣れない外国人観光客には、もっと辛いだろう。

しかし決まったものをいつまでも憂いていても仕方がない。取り組む絶好の機会としてメーカー各社は、東京オリンピック・パラリンピックを見据え、すでにさまざまな取り組みを始めているようだ。

展示会なのに非常に涼しさを感じるテーマゾーン

ミストユニット MUSASHI熱中症対策展示

第3回猛暑対策展』は、201年7月19日から21日の3日間、東京ビッグサイトにて開催された。当日は晴天、外は30度を超す猛暑だ。
しかし猛暑展がある一角は、各ブースが、ここぞと自社の技術の粋を出してアピールしている。さわやかな風が吹き、あちこちから霧が上がり、夏を忘れる涼しさだ。明らかに会場周囲よりも体感温度が低い。猛暑対策が街中で浸透したら、かなり過ごしやすくなるに違いないと実感した。

さて暑さの対策の方法としては、大きく分けて3つに分けられるようだ。箱、衣類、飲食だ。箱は、人が入る場所そのものに風を起こしたり霧を吹いたり、日よけをして涼しくさせる。大がかりな設備を伴うものが多く、主に企業向けの商品だ。

衣類は、発汗や防熱素材を使ったものや、衣類に熱がこもらないような仕掛けになっている。そして発汗で失われたミネラルを補う、熱中症対策のための飲料・食品類だ。

パラソル展示 吸汗インナーキャップ展示

展示品を体験する男性 フロートガラス展示

メーカーや研究所が合同で猛暑対策の研究をしている団体のブースで大学研究者に話を聞いた。
「暑さ対策には、いろいろな考え方の元、さまざまな種類があります。それらを組み合わせて、最も効果の高い方法を選ぶことが重要です。暑さというのは実際の温度よりもむしろ体感温度が重要です。温度を下げるよりも体感温度を下げる方がずっと簡単です。湿度が80%以上になると不快感が増しますが、60~70%までなら、湿度を上げて体感温度を下げた方が涼しく感じます」

例えば、内部に水を循環させたベンチは、座っていてもずっと冷ややかなままだという。太陽の熱を逃すと効果が高いのか、身体からの発熱を逃すと効果が高いのか、暑さ対策と一口に言っても、どう対策をすると効率がいいかは環境次第だ。コストの問題もある。

認知を促すには連続出展が有効であると言い切る10年連続出展者

試着を勧める担当者 猛暑対策の衣類

猛暑対策展と名前が変わる前から、10年連続で出展しているという企業があった。

「10年前に出展した当初は、見たことのない商品だと珍しがられたのですが、今では『知っている』『見たことがある』『これを買いに来た』というお声をよく聞きます。どんどん認知度が高まってきているのを実感しますね。これも継続して出展することの効果ですね」

断熱塗料を出展している企業も、展示会をメインに営業活動をしているという。

「この先、来年も再来年も出展すると思います。うちはメーカーなので、直接消費者の方と知り合う場所がありません。展示会でブースを覗きに来てくれる方は、間違いなく商品に興味を持ってくれる方です。展示会の後にアフターフォローをしてお話を聞きに行き、受注へとつなげます。展示会の出展料は営業効果の大きさを考えたらまったく問題になりません」

受注の規模が大きな商品は、1件受注があれば展示会への出展料はまかなえてしまうと言う。一方で食品のような一般消費者向けの商品は、展示会でのコスト回収は一概には図れない。熱中症対策のラムネを出展していた企業に聞いた。

「この商品の販売は10年ほど前です。塩分補給というと一般的には塩味の飴が多いのですが、飴は熱で溶けてしまうデメリットがあります。そこで熱に強いラムネタイプにしたのが、この商品です。展示会では、より多くの方への周知を図って出展しています。おかげさまでだいぶ認知されるようになったと感じますね」

涼感シャツシャワー ラムネ菓子

ブースでは試食品を積極的に配っている。目に馴染んだパッケージは目が行きやすいようだ、さっそく帰りに自宅近くのコンビニで商品を発見した。商品説明を受け、試食を自宅に持って帰るとすっかり愛着が湧く。次に同様の商品が必要なときには、間違いなくこちらを選ぶだろう。

ひときわ注目を集めたブースがある。「世界初 人間エアコン」とコピーをつけた冷式ベストだ。「サラリーマンエアコン」「ポン置きで冷える!」などとキャッチーなコピーをふんだんに使ったパンフレットを置き、大がかりな展示物はないにもかかわらず、派手さでは群を抜いていた。マスコミの注目度も高く、商品の宣伝という意味では大成功だろう。

人間エアコン展示 人間エアコン展示

猛暑対策はまだまだ知られていない知識や製品があり、認知度を高めていきたい

日本能率協会の担当者

第3回猛暑対策展』の日本能率協会の担当者は、

「実際に猛暑の中で行われる展示会なので、話題になりやすいメリットがあります。マスコミからの注目度も高いです。年々暑さは増していますし、熱中症対策の製品も毎年どんどん新製品が出ています。もっと新規開拓をして、目新しいものを見つけて出展いただけるよう働きかけていきたいですね」と言う。

猛暑に悩む夏に猛暑展。通りがかりの人でも不意に覗いてみたくなりそうだ。担当者の「マスコミに取り上げてもらい、認知度を高めたい」という狙い通り、初日はメディアでごった返した。テレビで放映されれば実績にもなる上、認知度が格段にアップする。

展示会は「出展して終わり」ではなく、どう目を引くか、そこでできた縁をどう活かすかが鍵となりそうだ。出展の意図と目的をしっかり意識し、最大限の効果を狙いたい。

東レサマーシールド 猛暑対策展

日本の暑さに悩まない人はいないだろう。健康な人はもちろん、障がいを負った人にはこの暑さは命に関わることがある。脊髄に損傷を受けると、体温の調節機能が働かなくなるためだ。そのため暑い場所にいると、汗をかいて体温を下げることができずにそのまま高熱を出してしまう。長時間外を移動しない、身体にスプレーを吹きかけるなどの細かな調整が必要になる。そんな時に、身体を冷やすベストは重宝するのではないか。パラリンピアンに着用を勧めてはどうか。「働く人」というフィルターを外すと、猛暑対策は意外に広く活用できそうだ。

第3回猛暑対策展

■会期 / 2017年7月19日~21日

■会場 / 東京ビッグサイト

■来場者数 / 3万8463人(3日間合計、他の同時開催展の入場者数を含む)

■出展者数:68社/90ブース

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